こんにちは!かっきーです。今回は、看護師さんの業務の悩み5位、夜勤がつらいしんどい辞めたいについて考えていきます。看護師さん特融の悩みでもあり、中々一般企業に就職した友人とは分かち合えない悩みですよね。夜勤が嫌だから看護師を辞めたり、無床クリニックや美容クリニックに転職する看護師さんも多いです。どうすれば夜勤の心理的・肉体的負担を減らすことが出来るのか、いくつか提案をさせていただきましたので、ぜひご覧ください。
【この記事を読むメリット】
- 夜勤の心理的負担をなくすための心の持ち方が分かる!
- 夜勤の肉体的負担を減らすためのケアの仕方や生活リズムの整え方が分かる!
- どうしても夜勤が耐えられない方のための転職成功法が分かる!
- 記事を読んでもわからないことがあれば個別に質問・相談できる!
看護師の悩み【業務編】5位激務!夜勤がつらいしんどい辞めたい!の対処法
さて、一般の方に「看護師さんの業務で大変だと思うことは何ですが?」と聞くと、とっても多く返ってくる答えが【夜勤】です。看護師=夜勤というイメージが付くほど、病棟勤務の看護師さんに切り離せないのが夜勤問題です。
実際に看護師さんたちに聞いても
夜に起きているだけできついのに業務は日勤よりハード。受け持つ人数も多いし、夜のナースコールは厄介なことが多い。シフとが出たら、休日より先に夜勤!を確認してため息をついてしまいます
生活リズムが崩れるので、その後の日勤にも影響が出ちゃいます
シフトの人数が少ないので、苦手な先輩と被ったときも絶対関わらないといけなくなるので、そういうのも憂鬱です
など、夜勤は嫌だと思う人が多くいらっしゃいます。
日本看護協会などの共同研究報告の中でも
- 7:1の病棟ですら夜間は一人の看護師が 14~15 人の患者を担当しており、急変時の対応等、看護職員の業務負担が重い
- 日勤の後、深夜から再び勤務となるケースでは、時間外勤務の発生、通勤等のために勤務間インターバルは休息時間の確保の観点から望ましいとされている 11 時間を下回ることがほとんど
- 夜勤交代制勤務のシフトは、日勤と夜勤が同じ週に組み込まれるなど、日中の勤務と夜間の勤務の入れ替わり頻度が高く、サーカディアンリズムが乱れやすい
- 夜勤をしている労働者はそうでない労働者と比較し、疲労、不眠のリスクがそれぞれ 1.75 倍、2.75 倍に高まる
- ヶ月の夜勤時間が延べ 72 時間を超えると、情動ストレス(自覚症状Ⅱ群)が高まるとともに、起床時に疲労感(自覚症状Ⅲ群)が強い傾向がみられました
(公益財団法人大原記念労働科学研究所、独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所、日本看護協会、「2017 年 看護職員の夜勤負担に係るエビデンス収集に関する共同調査研究」より抜粋
など、夜勤が心身ともに看護師さんの大きな負担となっていることが分かります。
しかし、夜勤手当が看護師さんの給与の2割程度を占めていることや、大変だからこそスキルアップとしても夜勤が重要であることを考えても、「大変だから夜勤の無い病院へ行っちゃえ」と簡単に思えないのも現実です。
「夜勤の負担が少ないこと」を転職活動の条件に入れると、どうしても選択肢が狭まるのも事実。将来の選択肢に幅を持たせるためにも、夜勤の心理的・肉体的負担を減らせる道を選べると良いですよね。
夜勤の負担を減らしつつ、夜勤で得られるスキルもお金も手にするにはどうすれば良いのか、その知識やテクニックをご紹介します♪
看護師さんの夜勤の心理的負担を減らすにはどうしたらいい?
夜勤の負担は心理的なものと肉体的なものに分かれます。
問題を解決するためには課題を細分化することが効率的ですから、まずは心理的負担の解消に絞って対策を考えてみましょう。
「夜勤は楽だよ、日勤の方がずっと大変!」と言う看護師さんの声からヒントを
夜勤が、多くの看護師さんの負担になっている一方で、夜勤は楽、むしろ、日勤の方が大変!という声も少数ですが聞こえてきます。
そんな看護師さんたちの声の中に、夜勤の心理的負担を少なくするヒントが隠れています。
日勤は入退院業務が多いですし、記録も多い。先輩が処置も全部勤務内で終わらせるので、とにかく頭も体もフル稼働。休憩も取れないことが有るし残業も多い。私は夜勤の方が気が楽です
日勤はわがままなご家族や横柄な医師とのコミュニケーションも多く、気疲れします。夜勤は一人で処理する業務が多いので、私には向いています。夜勤はチームで頑張ろうって空気があるし、頼りになるメンバーが多いのも安心です。
日勤はナースステーションがもう戦場って空気です。入退院の対応・検査・処置・入浴介助・オペ出し・お迎え、、とにかくせわしなく動き回ってクタクタです。夜勤は、人がいない分責任は感じるし、担当多くて忙しいけど、緊急搬送などが無ければ業務はルーティーンが多く、静かなもの。夜の静けさが空気を和らげでくれている気がします。
夜勤は
- 入退院業務がない
- 残業が少ない
- 記録を取る時間が取れる
- 日勤に比べると時間毎の忙しさは感じない
など業務自体の負担は減る、日勤にある苦手な業務が無いなど、業務負担が実は少ないという声や
- 家族対応がほとんどない
- 医師とのやり取りが少ない
- 実力派メンバーが揃うので安心感がある
- チームで乗り越えようという結束が有り、やりがいを感じる
など、コミュニケーションの問題が少ない点や、チームの結束が有る、安心感があるなど心理的なメリットを挙げる声がありました。
雨の日に歩きにくさや服が濡れることを気にするか、雨音を楽しみ、雨上がりの虹を楽しみにするか。同じ現象にも、見る角度や受け取り方を変えると気持ちの持ち方も変わってきます。
夜勤が嫌だという人も、「夜勤に有って日勤に無いメリット」や「日勤に有って夜勤には無い苦手な業務」を考えることで、夜勤も悪いことばかりじゃないと思えるようになります。
プラス思考が苦手な人は「そんな風に考えられません!イヤなものはイヤ!」と言いますが、人の想像力はすごいもので、「現実を思ったように近づかせていく」力が有ります。
実際に重いものを持って筋トレをしなくても、「筋トレをした」「筋肉が付いてきている」と鮮明に思い描くと、実際に筋肉量はアップするのです💦驚きですよね。
(参考文献:Mind Over Matter: Mental Training Increases Physical Strength)
夜勤も、キツイものと決めつけて嫌だ嫌だと思うよりも、(最初は無理やりだとしても)夜勤にも良いところもある!と、プラスの面に目を向けることで、想像力の力で次第に夜勤への心理的負担が減ってきます。
嫌なことが有ってもいい面を探し、良い面を具体的にイメージし続けることで、次第に本心から「夜勤も嫌なとこだけじゃないな」と思えるようになるのです。(勿論、夜勤以外のイヤなことにも応用できます)
「そんなはずない、イヤなものはイヤ!」と思い続けるのも自由ですが、「イヤじゃなくなるように試せることは試してみよう」と思うか、どちらの人生が豊かになるかは、私は答えが出ていると思います。
病院運営側からひとこと言わせてください!
運営側からすると、夜勤を任せられるというのは一つのステータスだと思って欲しいです。夜勤シフトに入れること自体が、看護師として病院や病棟から信頼されている証です。
今は働き方改革もあり、夜勤に入らなくていい看護師さんも増え、看護部の夜勤シフトのやりくりは医師以上に大変です。運営側も、看護師の夜勤シフトを如何に組むかを軸に転職者の採用を考えたり、看護師さんの夜勤が人事全体に与える影響はとても大きくなっています。
ですから、病院は夜勤に出てくれるあなたに心から感謝しています。言葉や報酬でそれをちゃんと表している病院ばかりでは無いのが心苦しいですが、感謝の気持ちは全病院が持っていると思います。
看護部や病棟の中では夜勤に出るのは当たりまえという空気があるかも知れませんが、身を削って出勤してくれていることに病院は本当に助けられています。それだけはわかって頂きたいです。
看護師さんの夜勤の肉体的負担を減らすにはどうしたらいい?
では、次に肉体的負担を減らすにはどうすればよいか、考えてみましょう。
学生と同じルーティーンで過ごしていませんか?一日の終わりは体のケアに
学生時代は、ゆっくり体をケアして一日を終えるなんてことはほとんどなかったのではないでしょうか。
友達を夜遅くまでカラオケに行ったり、宅飲みをしたり、深夜まで恋バナに盛り上がったり(例が古かったらごめんなさい笑)。
一人で過ごすときも、深夜までテレビやNetflixを見たり、ベッドに入ってもインスタやTikTokでスマホが手放せなくて、気付けば寝落ち、、。
そんなルーティーンや生活習慣を看護師になっても続けていると、体はすぐに悲鳴を上げてしまいます。看護師になると、学生時代とは比べ物にならない負担が日々身体にかかります。
夜勤が入ってくると、脳は疲労回復に優先してサーカディアンリズムの調整に力を入れてしまうので、更に疲労は取れにくくなります。
学生時代と同じルーティーンで日々を過ごしていると、疲労がどんどん蓄積されて、3年も経つと腰や肩、目など、体のあちこちにはっきりした症状が出てきてしまいます。
一日の最後はゆっくりケアをする時間。その思考習慣を持たないと、とても看護師業務をこなし続けることはできません。特に、夜勤明けは時間を掛けてケアをしましょう。
家に着いたら即睡眠もNG。特に足(ふくらはぎ)、腰、肩、そして目元をマッサージしたり、10分で良いのでお風呂に入って体を温めてから、ベッドに入るようにしましょう。
今はとっても高性能なマッサージ機が目元・ふくらはぎ・肩腰用とそれぞれ出ていますので、一通りそろえて寝る前にやってみて下さい。看護師さんほどの激務ではないですが、30代後半で疲れが抜けずらくなったおっさんも、驚くほど回復が早くなりましたよ♪
やっぱり看護師は体力勝負!ダイエットや美容を優先していませんか?
人の成功と失敗の分かれ目は、第一に健康である。
五島慶太(明治時代の実業家)
次には熱と誠である。体力があって熱と誠があれば必ず成功する。
看護師さんも看護師である前に一人の人間。
他人によく見られたい、綺麗に、格好よく見られたいという気持ちは誰しもあると思います。
それが人生のモチベーションになることもあるでしょう。
ですから、ダイエットをするなとか、仕事を優先しろとは言いません。ですが、ダイエットの方法が間違っていると思うのです。
昔からダイエットと言えば食事制限。デスクワークの多いOLさんや主婦さんには効果的かもしれません。
でも、普段から病棟を早足で駆け回り、頭をフル稼働させて一度にいくつもの業務を並行でこなしている看護師さんに当てはめるべきではありません。
しかし、普段から食事制限をしている看護師さんがとても多いです。
「一日1000キロカロリーしかとりません!」なんて看護師さんが塾生にも何人もいて、毎日3000カロリー以上を意図的に取っている私は愕然としました。
ちなみに、私は1日10分間の家筋トレだけで、177センチ68キロ体脂肪率11%の体型を大学生の頃から約20年キープしています!それだけが人生唯一の自慢なので、自慢させてください!笑
特に、夜勤が有る生活リズムは、ただでさえサーカディアンリズムの調整にカロリーを消費します。その中で食事を抜いたり無理なダイエットをするのは絶対にNGです。カロリーは身体の燃料。車で言えば、ガソリンです。食事制限やカロリー制限をしてハードな夜勤に挑むことは、給油せずに長距離ドライブに出るようなもの。
特に、夜勤前の食事はこれからがっつりカロリーを消費するわけですから、その前に十分なカロリーをとってもエネルギーが余って脂肪として蓄積されるようなことは(よほど暴飲暴食しない限り)有りません。
むしろ、普段運動(看護師の業務は十分運動です!)をする人が、更に食事制限をして日常の摂取カロリーを減らすと、身体はそのカロリーの中で動ける身体を作ろうとします。1000カロリー以上摂取したときには、ここぞとばかりに脂肪として蓄えようとします。つまり、食事制限はむしろ、自ら進んで太りやすい体を作っているようなものなのです。
糖質制限ダイエットにリバウンドが多いのは、制限によって太りやすいからだが出来ちゃうからなんですね。糖質制限を手法としていたライ〇ップも、リバウンドする人が続出してやり方変えましたもんね、、。
毎日運動しているならいいですが、休みの日はぼーっとしてます、一日中家から出ませんなんて休日を過ごしていると、その日に消費出来なかったカロリーをすぐに体にため込んで、1キロ2キロすぐに太ってしまいます。
しかし、日常的に1800カロリー程度をしっかりとって運動(業務)をして、休みの日はゆっくりして疲れをとる、その分運動の予定が無い休日の食事は1600カロリー程度に抑えましょう(200カロリーの制限で十分です!)
食事でカロリーを取らないと、エネルギーが枯渇し疲れやすくなるのは当然の話です。特に糖質は脳のエネルギーになりますから、糖質を十分に取らないと頭も働かず、集中も続かず、その日のミスだけでなく長期的な看護師としての上達速度にも影響します。
食事制限をしていては、毎日食べたいものを我慢して、疲れやすい体と物事を覚えにくくミスをしやすい頭を作り、かつ太りやすい体を作る。良いことは何も無いと思います💦
食事をしっかりとって、マッサージや入浴、十分な睡眠で体を休める。ものすご~く基本的なことですが、何事もやっぱり基本が大事。
毎日1800キロカロリー程度を(無理にでも)取るようにして、看護師としての業務に全力で取り組むことが自然にダイエットになるくらいの考えで3か月過ごしてみて下さい。
1800キロカロリーあれば、ある程度好きなものを満足に食べられるはずです。それでいて夜勤明けも疲れにくくなり、頭も働いて業務のミスも減って仕事も覚えやすくなり、かつ太りにくい体が出来る。良いことだらけです!
夜勤シフトの中で生活リズムを整えるには
夜勤・日勤を不規則に繰り返す生活をなんの対策もなく無理をして続けていると、重大な健康リスクが生じます。
「疲れが取れないなぁ、でも看護師になると決めてから覚悟してたし仕方ない」なんて考えてケアを怠っていると、脳や心臓に見えないダメージが蓄積してしまうのです。現に、2021年には「脳・心臓疾患の労災認定基準」に、業務による負荷要因として「勤務時間の不規則性」が追加されています。
夜勤が有るのは仕方ない、でも身体にダメージを残さないためにはどうすれば良いでしょうか。
一先に述べたように十分な食事をとり体力をつけることと、日常的なマッサージ・入浴などのケアを勤務後に行うことももちろん大切ですが、崩れたサーカディアンリズムを「崩れてないよ、大丈夫だよ」と脳に錯覚させることも効果があります。
そもそもサーカディアンリズムとは?
サーカディアンリズムとは、地球の自転周期によって起こる明るさや温度・湿度など様々な環境変化に適応するために約24時間の周期で起きる体内の生理現象の循環リズムのことです。体内時計とか概日リズムとも言います。
我々は何万年前の先祖代々から、日の光とともに目覚め、火の出ている間に活動し、夜になり日が落ちると活動を停止して眠りにつくというリズムを繰り返してきました。
このリズムがまさに、サーカディアンリズムです。人間の体内にも宇宙の自然法則同様のサイクルが備わっているからこそ、古今東西問わず人類共通で自然と奏でてきた生活リズムなのです。
(特に近代ヨーロッパの)人類の歴史はある意味自然への反抗の歴史です。自然の法則を乗り越えようとした結果、今、街は太陽が沈んでも光で溢れ、人類は夜中にも活動することが出来るようになりました。看護師さんは当たり前になっている夜勤も、自然の法則にも人類の数万年の歴史にも反すること。崩れたリズムを、仕事だから仕方ないと受け入れても、身体が勝手にそれ対応してくれることは有りません。知恵を絞って対策を練る必要があります。
さて、サーカディアンリズムは、ホルモンバランスで調整することが可能だとわかっています。
セロトニンやメラトニンといった眠気を誘うホルモンや、コルチゾールなどの目覚めに関係するホルモンを調整することで、崩れたサーカディアンリズムを調整することが有る程度は可能です。
セロトニンの構成要素になるトリプトファンやビタミンB6も食事によって増やすことが出来ます。また、運動によって新陳代謝を活発にしたり、積極的休息で敢えて疲労を促せば、脳が休息の必要を感じて眠気を引き起こします。
夜勤で強制的にサーカディアンリズムを狂わされる看護師さんは、意図的にその乱れに抗う必要があるのです。
看護師さんが夜勤をこなしながらサーカディアンリズムを整えるには?
では、看護師さんは夜勤体制の中でどのようにサーカディアンリズムを調整すればよいのでしょうか。
リズム調整因子はいくつかありますが、重要度で言うと、
- 1位日光によるセロトニン・メラトニンの調整
- 2位食事によるトリプトファン・ビタミンB6の調整
- 3位夜勤後の「積極的休息」の導入
日光によるセロトニン・メラトニンの調整
最も大きな調節因子は、光の明暗による刺激です。日光を浴びると、セロトニンというホルモンが分泌されます。そして、このセロトニンが、およそ15時間程度で眠気を引き起こすホルモンであるメラトニンに変化・放出を開始して、眠気を引き起こすのです。
まとめると、
- 日光を浴びる
- セロトニンが分泌される
- メラトニンに変化する
- 約15時間後の睡眠を促す
というサイクルです。深夜になっても明かりが煌々と灯る現代社会では、毎朝、起きたときにカーテンをあけて日光を浴び、夜にはなるべく部屋を暗くすることで意図的にこのリズムを整えるのが良いと言われてきました。
他にも、規則的な間隔で食事をとることや、室内の温度調節や音の調節(夜はTVやスマホの音量を下げるなど)で体内時計を合わせることで、サーカディアンリズムが整い、知らぬ間に蓄積される疲労・負担を減らすことができます。
食事によるトリプトファン・ビタミンB6の調整
また、食事内容も大切です。メラトニンを作るセロトニンは日光だけでなく食べ物からも作ることが出来ます。ですから、セロトニンの生産に関わる栄養素を多く摂取することで、(メラトニンに変化し睡眠を促す)セロトニンを増やすことができます。
セロトニンの生産に関わる栄養素は、トリプトファンとビタミンB6です。特にトリプトファンは必須アミノ酸で体内で合成することが出来ないので、普段の食事で積極的に摂取する必要があります。
トリプトファン・ビタミンB6の両方を多く含む食べ物は以下のものが有ります。
- バナナ
- 乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズなど)
- 赤身魚(マグロ・カツオなど)
- 大豆製品(豆腐・納豆など)
特に私のお勧めは、糖質を同時に取れるバナナ&乳酸菌を同時に取れるヨ―グルトの組み合わせです。夜勤の休憩中にも手軽に摂取できますし、いずれも糖分を適度に含んでいるため、休憩明けの勤務を乗り切超えるエネルギー源としても優秀です。
夜勤後の「積極的休息」の導入
休息といえば、寝る・横になるといった、心身の負担をゼロにするような休息が浮かぶと思います。しかし、特に睡眠を促したりサーカディアンリズムを整えるには、軽い運動やマッサージ、入浴、読書といった敢えて体や脳に多少の負担を掛けるような休息の方法が効果的だと言われています。
積極的休息の代表は軽い運動です。ウォーキングやサイクリングなど心拍数をグンと上げない程度の運動は眠りを誘う心地よい疲労感を与え、かつ(メラトニンの生成を妨げる)ストレスを軽減させる効果もあります。
実際に、定期的な運動習慣がある人ほど不眠が少ないといわれています。夜勤明け電車を一駅早く下りたり、車じゃなく自転車で通勤するなどして心地よい運動で帰路に着くのも一つの方法です。
また、既に記事内でもお勧めしていますが、帰宅後にマッサージや入浴を行うことも積極的休息にあたります。夜勤明けは当然サーカディアンリズムが崩れまくっている状態で、更に長時間の勤務で脳もストレス状態になります。
そのまま眠りに着こうとしても睡眠を妨げる因子が多すぎて、睡眠中に何度も目を覚ましたり(中途覚醒といいます)、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返す正しい睡眠リズムを刻めなくなってしまいます。
夜勤明けにそのままベッドに突撃だと、実は20~30%しか疲労が回復しない、でも挙げたような積極的休養を取ると疲れが70~80%回復するというデータもあるようです。疲れているからこそ、積極的休息!ですね。
環境を整えるにはシフトの提案も積極的に
もし夜勤が有ったとしても、それが毎月決まったタイミングで組み込まれるのであれば、サーカディアンリズムは整えやすくなります。
例えば毎週月曜日が夜勤、火・水が休みで木金日勤の土曜休み、日曜日勤でま月曜日に夜勤、、と、毎週同じシフトで働けるのであれば、サーカディアンリズムはそのリズムに次第に合っていきます。
こちらであれこれ調整しなくても、脳があなたのリズムに合わせようと頑張ってくれます。
しかし、多くの看護師さんは、不規則なシフトで勤務されています。週によってリズムはバラバラ、いろいろなパターンができてしまうと、脳もルール作りが出来ずに(そもそもルールが無いのですから仕方ありませんね💦)、いつまで経ってもリズムは崩れたままです。
そんな時は、あなたがどんなパターンのときに眠りやすいのか、体調がいいのか、記録を付けるようにしてみましょう。
例えば、夜勤は連続したときの方が眠りやすいとか、日勤-夜勤が整えやすいなど、組み合わせによって「まだマシ」なパターン、あなたに合うリズムが見つかるかもしれません。
そして、それが見つかったら、そのシフトだと仕事の効率が良い、力を発揮しやすいことをシフト管理者にも伝えてみましょう。今はスタッフ体調管理や勤務環境の整備は重要なんだと、医療業界でも(やっと!)考えられるようになってきました。看護師さん全員に、上記のような記録を取ってもらいシフトに活かそうとする病院も現実に御座います。あなたの病院でそのような試みが無かった場合、あなたから提案すれば、シフト管理者も考慮してくれる可能性は高いです。
確かに全員の希望を難しいでしょうがことはできませんが、全員が30だと思っているものを、50、60にしていくことは出来るはずです。あなたの病院がいまだにシフト管理において「休み希望」しかとっていないような場合、あなたが警笛を鳴らし、病棟全体で、働きやすくなる道、夜勤の負担を軽減できる道を模索していく必要がります。
スタッフの勤務環境に配慮が無い管理者は「他の人の希望もあるんだからわがまま言うんじゃない!」などと頭ごなしに言ってきます。しかし、経験上、このような管理者は最初から誰の希望も聞かずにこのようなことを言っている人が多いです。聞けば、上手くピースがはまる可能性だってあるのに、、。
夜勤がつらいしんどい辞めたい!の対処法、まとめ
夜勤の負担は心理的負担・肉体的負担に分解し、それぞれ記事にあるような対策の中から、実践できそうなものから始めてみて下さい。
サーカディアンリズムを整えるためには、セロトニン・メラトニンなどのホルモン調整、食事や積極的休日も大事ですが、夜勤をなるべく規則的に行うためのシフト調整も重要です。医療業界全体で看護師さんの夜勤問題を何とかしようとしている中、病院も看護師さん一人一人の希望をないがしろにしたままではいけない、と感じ始めてきています。
ハードルが高いかもしれませんが、このような提案は、まだ「医療業界の悪しき慣習」が染みついていない若手看護師にこそ望まれています。自身が体調を崩さず、最大限の力を発揮できる勤務環境を提案することは決してわがままではありませんよ!
【参考文献】
『生体リズム研究の現在ー時計遺伝子の機能と疾患の接点を中心としてー』池田正明(外科と代謝・栄養49巻6号2015年12月)