全看護師さん必見!どんな人ともうまくいく㊙人間関係最大のコツ!

人間関係が辛いと悩む看護師さん

全ての悩みは人間関係の悩みである

アルフレッド・アドラー

【この記事を読むメリット】

  • 看護師さんの悩み【人間関係編】のランキングを見る前に、全ての悩みの根本的解決に繋がる人間関係の秘策を学べる!
  • 職場の人間関係の悩みをあなたが解決できるようになる
  • 職場の人間関係から楽になり、日々の業務やプライベートも充実させられる
  • 「人間関係が嫌で転職」を回避でき、看護師キャリアを自分軸で選択できるようになる
  • 一生もののスキルである「コミュニケーション」の極意が10分で理解できる
目次

全看護師さん必見!どんな人ともうまくいく㊙人間関係最大のコツ!

冒頭で引用したアドラーの言葉に表れているように、人間の悩みは、つまるところ人間関係に起因するものがほとんどです。人間関係で一切の悩みが無い人は、いないのではないでしょうか?

しろぽん

病棟の先輩たちと上手くコミュニケーションを取れません。休憩が被っても何を話せばいいか分からなくて、沈黙が続きます。つまらない人と思われてるだろうなぁと考えるとへこみます

きにゃこ

うちの病棟には職場いじめが有ります。先輩たちにターゲットにされた子はたいてい辞めてしまい、また別の子がターゲットに。でもそういう先輩たちに限って患者受けは良くて。患者さんに○○さんを見習えと言われると「裏の顔教えましょうか~」と言いたくなります。尊敬できない人たちと一緒に仕事するのはつらいです

しろぽん

若い看護師側が私だけで、後は中堅とベテランしかいません。かわいがってくれていますが、残業やプライベートの過ごし方への考え方なんかも私とは全然違って、看護師にプライベートは無いとか、サービス残業も患者さんのためを考えたら当たり前。昭和感が凄くてしんどいです。

私が相談を受けるときも、人間関係の悩みは実に様々です。自分と周囲の関係で苦しむこともあれば、病棟全体の雰囲気やいじめを目の当たりにして嫌になるケースも。

今回は人間関係の最大のコツとして、実際に有った相談を基に、どんなシチュエーションにも通用する人間関係最大のコツをお伝えします。人間関係の悩みランキングに行く前に、皆さんに一読いただければ幸いです。

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つい先日実際に有った相談~彩奈さんの場合~

悩み人は整形外科病棟3年目の看護師、彩奈さん。私の看護塾の元生徒です。仕事は充実しているものの、病棟の人間関係で悩んでいる様子。

昔から人とコミュニケーションを取るのが苦手で、特に大勢は苦手。友達は「浅くて狭い」くらいが私には心地よいんです(笑)

病棟デビューは仕事に対する不安より人間関係の不安が大きかったです。友達からも「変わってるね」と言われることが多くて、人と深い関係を築くのが苦手でした。

ただでさえ看護師の世界はドロドロしてるって聞くし、「病棟では嫌われたり一度目を付けられると大変だよ」と看護学校の先輩から聞いていたので、正直職場では仲良い人を作るより、とにかく嫌われないことを最優先しよう!と思っていました。新人の頃は特に、周りの目を気にしすぎて、誰に対してもいい顔をしようとすごく気を張っていました。挨拶も目を見てひとりひとりにはっきりと、髪型やメイクも研修資料に載っているようなThe模範の看護師みたいな感じにして。

誰の言うことにも「そういうの嫌ですよね、わかります!」「ですよね!私もずっと思ってました」なんて、合わせたりして。そのうち、そうやって人に合わせるのが病棟に居るときの私の習慣というか、キャラクターになっちゃって。「分かります!」「私もです!」って思ってもないのに同調して、そういうのがだんだん「彩奈さんは八方美人」という評価になっちゃって。

皆いい人たちで、表向きには良くしてくれますし、現状特に困ってることは無いんです。

でも、それでいいのかなって。元から病棟の中でそこまで深い人間関係を作ろうとも思ってなかったですし、それより嫌われて職場に行くのが憂鬱になるようなことを避けたかったのは確かです。

でも、同期と比べると後輩に相談されることがやっぱり私は少ないんじゃないかなとか、不安になることもあって。薄っぺらい同調じゃなくて、心から本音を言い合える仲間がいなきゃダメな気がして、ちょっと悩むんですよね。キャラじゃないのはわかってるんですが。私みたいに誰からも人畜無害を目指すような生き方ってつまんないのかなって思ってきたんです。

人間関係の秘策1 まずはじっくり考えよう!あなたの求める人間関係は何ですか?

さて、彩奈さんに悩みを語ってもらいました。誰にでもいい顔をしてしまう、怒られたり嫌な思いさせるのが嫌で、その場を取り繕うような発言や同調ばかりしてしまう。同じような経験をしている方は沢山居るのではないでしょうか。

ですが、彩奈さんと同じようにそれが悩みになったり、ときに転職したくなるほどのストレスに感じてしまう人も居れば、誰とでも一定の距離を保ってストレスなく働けるてるんだからいいことじゃない、とプラスに考えられる人もいます。

他にも、陰口を言われても気にしない人も居れば、ひどく落ち込んで人間不信になってしまう人もいて、嫌な先輩と日々顏を合わせるだけで憂鬱になってしまう人も居れば、仲良い後輩に会えることで嫌な先輩の事なんてどうでもよくなってしまう人もいます。

人間関係は、同じ環境で同じことが起きても、マイナスに感じてしまう人と、気にしないでいられる人の差がとても大きいのです。

その違いはどこに有るのでしょうか。勿論生まれながらの気質や過去の経験も大きいでしょうが、そのような対策出来ないことに焦点を当てても仕方ありません。

私自身も今まで人並みに人間関係に悩んできて、そして看護師さんたちの悩みを何百人と聞いてくる中で、一つ確信したことが有ります。

それは、人間関係に悩むことが多い人は、

自身の求める人間関係のゴールが描けていない

ということです。

「どんな人とどんな関係を気付きたい」というビジョン、ゴールがないのです。ゴールがないのだから、どの道に進んでも、どこを曲がっても、引き返しても、たどり着けないのは当たり前なのです。

自分の性格や気質、趣味や叶えたい目標、理想の生活、あらゆることから、自分はどんな人間関係を求めているかを考えましょう。人間は「漠然とした不安」が最も恐ろしいもの。人間関係も自分が何を求めているか分からない状況が一番きついのです。ゴールを設定するだけで、(実現できていなくても)ずっと楽になるものですよ。

また、本当は自分の中にゴールが有るんだけど、それが周囲の感覚と少し違うと、途端に不安になってしまう人も居ます。

彩奈さんもまさにこの状態でしょう。「八方美人でいることに戸惑いがある」と言うものも、彩奈さんが職場に求めている人間関係を考えればほんとは戸惑うことなんてない、それでいいはずです。

「元から病棟の中でそこまで深い人間関係を作ろうとも思ってなかった、それより嫌われて職場に行くのがいつもブルーになるようなことを避けたい」というのが彩奈さんの望みだったはず。

人間は無いものねだり、周囲の人間関係に憧れを持ってしまうもの。ですが、どんなに楽しそうに見えても、彼女たちも心の奥で深い悩みを抱えているかもしれない。

「本音を言い合えるような仲間がいなきゃダメ」というような友情神話にとらわれる必要はありません。人間関係に、こうあるべきなんて正解は無いのです。

「狭く深く、何でも話せる親友が一人いればいい」も「広く浅く、仲間の輪を乱さないくらいがいい」も、どちらが幸せかはその人にだってわかりません。

職場では人間関係に悩まず仕事に集中したい。職場の愚痴を言ったり本音で語り合う相手は職場と関係ない友達の方が言いやすいし。だからわたし職場では、空気なんです!笑

と笑って話す看護師さんが知人にいます。そんな人に、八方美人はむしろ誉め言葉、作戦大成功になるのです。

また、「自分の考えを曲げてまで好かれなくていい」人と「人に信頼され好かれることで自身の存在意義を感じる」人では、その時々で取るべき対応も変わってきます。人間関係の正解は、あなたが決めた目標、生き方の中にしかありません。

本音の部分で深い友情を求めていない人は、求めている人と深い関係は築けないですし、人の目を気にする習慣が無い人が誰からも好かれることも難しい。結局、自分に合わない人間関係を求めてもあなたの幸せにはつながらないのではないでしょうか。

周りがどうかなんて気にせず、自分だけのゴールを設定して下さい。自分の向き不向きやパーソナリティ、趣味や理想とする生活スタイルに合わせて目標を明確に設定することが、人間関係を良くする第一歩です。

人間関係の秘訣2 思いやりの正体を理解しよう!

目標が決まったら、次のステップは「わたし」と「あなた」の違いを知ることです。「人間関係=人(わたし)と人(あなた)の関わり」なのですから、「わたし」と「あなた」を知ることは人間関係を良くするために欠かせない姿勢です。

ここで大切なことは「同じ部分を見つけて共感する」ことではなく「違いを知ること(知ろうとすること)」です。

昔はよく「私はこうされたら嫌だから、相手にもしないでおこうと考えることが思いやり」だと言われました。しかし、私とあなたが違う存在であると広く認識され始めてから、「私はこうされたら嬉しいけど、相手はどうなんだろう?と考えることが思いやり」だと考えられるようになってきました。

特に自分と考え方が全く異なる人間がいる、そして目の前で笑い合っている友達も実はそうかもしれない。それを理解することは、人間関係を円滑にする上で実は最も重要なことです。

なぜでしょう?

それは、私とあなたが全く異なる存在であることに無自覚だと、自分の言動や振る舞いを省みれないからです。

皆がもし違うのが当たり前と思っていたら「この人は今私の言葉を、しぐさを、身だしなみを、どう感じているんだろう?」と観察するようになる。ちょっと不快に思ってるかもしれないなと、気付くんですね。そして、じゃあ次に来てくれたときはちょっと言葉を変えてみようと、そう思える。

それを繰り返して、相手が心地よいと思う様子態度を見つけるのが「思いやり」の正体です。

思いやりとか寄り添うとか、優しさとか、いろいろ言葉は変えていますが結局それらは

私とあなたは分かり合えない存在だと理解する

ことから始まるのです。

人間関係はとても難しく感じてしまいますが、実はその一点さえ理解できれば、ぐっと簡単になります。

「コミュニケーション能力を磨きたい」「聞き上手になりたい」そうして人間関係を良くしようと努力している人ほど、「相談に乗るときはアドバイスよりも聞き役に徹しよう」「謝罪は必ず対面でしよう」など、マニュアルを求めてしまいます。

しかし、人と人は違うのです。Aさんに好印象だった言葉がBさんにも響くかはわからない。だから、どんな人にも当てはまる絶対の正解なんて存在しません。

強いて言えば、人と人の違いを理解し、常に相手を観察すること、何を求めているのか、自分とはどこが違うのかを探し、相手を知ろうとすることが、人間関係の唯一のマニュアルと言えるでしょう。

皆さんは「最近」と聞いていつを思い浮かべますか?
私は2010年以降はもう最近です(笑)たった二文字の言葉だって人によって取り方が違うんですよね。これも分かり合うことの難しさを示しているのではないでしょうか。

なぜ私とあなたはこんなにも違うのか

さて、なぜ人と人はそんなにも違うのでしょうか。

原因の一つは「人間は何十万年の歴史の中で積み重なった本能的な何かに、生まれながらにして規定されている」からです。

西洋では、近代まで人間の本質は理性だと考えていました。理性とは「物事を道筋立てて論理的に考える能力」のことです。そして、道筋立てて論理的に考えると、皆が同じ結論に達します。数学の公式や物理法則などは、まさに理性によってたどり着いた結論です。誰が考えても、1+1は2になります。

ですが、19世紀以降になると、理性によって出した結論、つまり数学や物理法則によって導き出された結論が人間を幸せにするとは限らないとわかってきました。物理法則によって生み出された兵器で多くの命が奪われたり、物質的な豊かさが精神的な豊かさに繋がらないとことが分かってきたんです。

むしろ何故そんなこと最初にわからなかったのかというと、近代は「人はみな同じ」という考えが前提にあったからです。人はみな同じだから、同じ結論を導き出せて、その結果は誰にとっても同じ幸福をもたらす。そう考えていたのです。

しかし理性への疑いから、人がみな同じであるという信頼も崩れていきます。

そして理性に代わる人間の本質を、人は必至で追い求めていきます。それが脱近代(ポストモダン)と言われる時代です。

西洋では理性に代わる本質は何か?それを100年以上かけて考えてきました。結論は出ていませんが、有力な候補がいくつかできています。

それは例えば「言語」だったり、「無意識」だったり、「構造」だったりします。いずれも、理性を絶対視した時代への反省からか、人間は一人一人異なるという考えの根拠になるような思想になっています。

また、自分の考えは生まれたときから今までの自分の経験や出会い別れて人たちだけで出来ているわけではないという結論にもつながっていますので、人間がいかに違うかを学ぶには格好の教材になります。

人文科学のお話になってしまいますが(かっきーは人文科学科卒業です♪笑)、知っておくと分かり合えないときのイライラやもやもやも消えて、違う考えを「そういう考え方の人も居るよなぁ」と認められるようになると思います。少し難しい話になりますが、読んで頂けると嬉しいです!

感性は人によって答えが変わります。菅田将暉を格好いいと思うか思わないかは人それぞれですよね。ポストモダンは感性を重視する時代です。ちなみに感性の対義語が、理性です。
また、日本は明治時代に近代の考え方(理性絶対主義)を輸入して日本文化に溶け込ませることに成功しましたが、ポストモダンの導入はかなり遅れました。日本人がコミュニケーションを苦手とする理由は、こんなところにもあるんですよ。

人は無意識によって規定されている!byフロイト/ユング

フロイトは、20世紀に活躍した精神科医です。ヒステリー(脳や神経に異常が無いにも関わらず、声が出なくなったり身体が動かなったりする身体の機能的な異常が起きたり、意識を→記憶を失こと)の患者に催眠療法を施します。

すると、ヒステリーの患者は催眠状態で、意識下では全く語ることのなかった自身の物語を語り始めたのです。そして、催眠が解けると患者自身がそのことを全く覚えていませんでした。

この結果から、人間には自分の意志でコントロールできる領域の他に、コントロールできない無意識の領域(知覚はできないが、確かにこころの奥底にある領域)があることを発見します。そしてそれは、無意識の領域は幼少期からの周囲のこうするべき・こうあるべきという道徳的規範によって自分の意識が追いやられて形成されると考えました。

また、彼の信望者の心理学者ユングは、ある精神分裂症患者が彼が経験したり読んだりするはずのないギリシャ語の古代宗教の祈祷書の内容に似通った内容を自身の体験として話したことで、(フロイトの語った幼少期の抑圧のみでなく)人類に普遍的な先天的な無意識領域が存在すると考えました。

そして、彼らは人間には無意識領域があり、我々が普段している発言や行動も実は無意識の影響を受けていると考えたのです。

この考えは現在(立証するのは難しいものの)通説的な支持を得ています。

人は言語によって規定されているbyソシュール

日本人はよく「はっきりとものを言わない」「感情を伝えるのが下手だ」「なんでもあいまいに済ませようとする」などとアメリカ人など英語文化圏の方からお叱りを受けます。

日本人は確かにはっきりと言うことを避け、言い争いを避け平穏にことを済ませようとする性質が有るかもしれません。

しかし、実はそれは日本人の性格の問題ではなく、言語体系の影響がとても大きいのです。

例えば、日本語で「彼氏と別れた」と言ったとしても、別れたことをどう感じているのか、悲しいのか、むしろ清々しているのかは、言葉からは窺いようがありません。

一方、「彼氏と別れた」を英語にしようとすると
I broke up with my boy friend.
I have broken up with my boyfriend.
のどちらかを選択して表現しなくてはいけません。

そして、どちらを使うかで、その意味合いは全く異なってきます。前者は過去形を使い「彼氏と別れて、今はその彼氏のことがどうでもいい(吹っ切れている)」という意味で使っています。逆に後者は現在完了を使い「彼氏と別れて、そのことが今も胸の中に大切に残っている(悲しい)」という意味で使っているのです。

このように、英語は事実に加えて自身の感情や主張を同時に表現するような言語体系になっているのです。日本語は逆に、「察し」という言葉がありそれが出来ない人は「KY」と揶揄されるように、感情と事実を切り離して表現する言語で、言葉に表現されていない深層を読むことが要求される言語体系をしています。

ですから、英語を使い日々暮らしているアメリカ人は当然のように感情や意見をはっきり伝える(伝えざるを得ない)ようになりますし、日本人は言葉の裏を読み、相手にもそれを求めるような性質を持つようになるのです。

そのように、普段使っていることばが人の意思決定や思考回路にも影響していると考えたのがソシュールです。

彼の考えも広く支持を得ています。何も英語と日本語という大きな違いだけでなく、普段使う言葉も無意識に自分の性質を決めるものです。言葉遣いを幼少期から厳しく指導され丁寧な言葉遣いが出来る人は行動やしぐさも礼儀正しくなるものですし、逆もまた然りです。

人は構造によって規定されているbyレヴィストロース

個人は皆自由で、自由な個人が集まって社会をつくり、能動的に歴史を作り、その過程は進化であるという西洋の考え方を批判し、社会には見えない構造があり、個人の考えはその構造によって決定されていると考えたのがレヴィストロースです。

もし人が皆自由な発想を持っているのなら文化や政治、宗教や言語などは多様化し、完全にオリジナルな要素であふれているはずです。ですが、例えば接点の無いはずの世界中の民族の神話の中で「父殺し」のエピソードが存在するなど(ちなみに映画『スターウォーズ』もこの父殺し神話を基にしています)、まるで誰かが原型を作り世界中の文化に配信したような共通性・類似性が有ります。

レヴィストロースは西洋の進歩史観を批判することに主眼がありましたが、人間が完全に自由意思で考えて行動しているわけではないという思想は、わたしたちの人間関係の考え方にも大きな示唆を与えてくれます。

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考え方の違いも無理に説得しない。違って当然と受け入れることが大切

無意識、言語体系、構造、、このような要素に私たちは無自覚に規定されています。それに加え、現代は他人と分かり合うことを妨げる社会が加速しています。

SNSで趣味や考え方が違う人を簡単にブロックできる自分だけの世界を作り、たまたまついているテレビではなくYoutubeやNetflixで好きなものを選択してみる時代です。見るものや触れるものがかつてないほど個別化・多様化してきています。

だからこそ、違いを理解することはより大切になってきています。

例えば、コロナ対応の例が挙げられます。第一波の頃から盛んに繰り広げられた完全自粛派と経済重視派は最後まで分かり合えませんでしたが、互いが相手の立場を理解しようとする気持ちが有ればもう少し冷静な議論が出来た気がします。

しかし、この対立も実は個人レベルではなく、過去何万年にわたる人類の歴史の中で必然的にできた分類構造です。

何か新しい木の実やら貝やらが見つかったとき、あるいは新しい土地が見つかったときに生き残ったのは「リスクを冒しても先にチャレンジした集団」と「人が試すのを待って安全を確認してから自分もその利を得ようとした集団」の二つです。

今生き残ってる人類の多くはそのどちらかの子孫なわけです。経済優先派は前者の子孫、完全自粛派は後者の子孫。個人の考え方以前に、ご先祖様の生存戦略の違いなわけです。

先祖代々、その考え方で生き残ってきた、遺伝子にとって絶対の正解なわけです。そのような根っこにある価値観を変えることは極めて困難です。

どんなに話し合っても考えが合わなかったときは、個人レベルの問題ではなく遺伝子レベル、何十万年レベル生存戦略の違いが有るんだなと思ってください。

人と人の違いを理解するとは、なんとなくではなく、そこまで深いレベルで、如何に自分と他人が違って、如何にそれが当たり前なのかというのを理解することです。

そのうえで、じゃあAさんはどうなんだろう、Bさんは何を求めてるんだろうと観察する意識をもって初めて本当の意味での思いやりが可能になります。

その意識が持てれば、どんなに嫌に思う人でも、

(本当は「Aさんは私は昔厳しく𠮟られたことで成長できたから、〇〇さんにも心を鬼にして接しよう」と思っているのかもしれない。絶対に嫌な人なわけじゃなく、考え方が合わないだけ、しかもそれは無意識や構造の影響を受けた、どうしようもないことなのかもしれない。幼少期に受けた虐待の傷かもしれないし、何万年も前から先祖が人に騙され裏切られ、人間不信のが染み付いてるのかもしれない)

と思えるのではない出ようか。そして、その人には大切な人がいて、その人を大切に思う人も居て、きっとその人にとってはとてもやさしい人なんだとあなた自身も優しい目を向けてあげることができます。

人間関係のゴールが決まったら、具体的な問題を一つ一つ解決していきましょう

これから具体的な悩みに沿って人間関係に悩む看護師さんにアドバイスをさせて頂きますが、まずは自身が人間関係において何をゴール、目標にしているのかをじっくり考えて検討することを最優先させてください。

目標はどんなに高くても、逆に低くても構いません。ゴールがあることが、大切なのです。

それぞれの記事で、看護師さんからよく相談される病棟の人間関係の悩み事をランキング形式で紹介し、それぞれの解決策をアドバイスしています。

勿論、個別の相談もお待ちしておりますので、お力になれることが有ればご連絡ください。

【参考文献】
C.G.ユング 著、野田 倬(訳) 編 『自我と無意識の関係』人文書院、1982年
河合 隼雄 『ユング心理学入門』培風館、1967年
『レヴィ=ストロース講義 現代世界と人類学』新版・平凡社ライブラリー、2005年
斎藤孝『齋藤孝のざっくり!西洋思想―3つの「山脈」で2500年をひとつかみ』祥伝社2011年

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※おまけ~ わたしとあなたの違いを知るためのツール~

観察することが大事とは言っても、何を基準にどこを見ればよいのかが分からないです

そもそも「わたし」がどういう人間かを自分でわかってないです。「あなた」がどう対すれば良いかもわからない

などの声もいただいたので、最後におまけとして私が強くお勧めする自己分析ツールを紹介します。

自己分析ツール・他者分析ツールは様々なものが有りますが、私がお勧めするのはFive Factors and Stress 理論(FFS理論)と呼ばれるものです。

人の思考行動特性を5因子とストレス値で定量化し、個人の潜在的な強みが、ポジティブに発揮されているか、ネガティブに発揮されているかわかります。さらに、人と人の関係性を客観的に把握・評価でき、チームを最適な編成にすることができる理論です。

Human Logic Laboratory FFS理論について より引用

簡単に言えば、人間の特徴を「凝縮性」「受容性」「弁別性」「拡散性」「保全性」の5つの因子に整理して、その人が示す反応・行動を計測する分析し組織の人間関係や生産性の改善に活かすツールで、以下のような特徴が有ります。

  • その後どうするのか、それをどう仕事や組織に活かしていくのか、という明確な示唆がある。
  • 日本人(教育学・経済学博士 小林惠智氏)が日本人向けに考え作り出した日本人向けの診断である。
  • 自分だけでなく、組織的に取り組むことでチーム全体の生産性の向上や連携の向上にもつながる

それまでの自己分析は日本人向けでないため無意識・言語体系・構造などで違いが生じる点、診断結果が「みんなちがって、みんないい」などの教訓で終わり、のちの行動に結びつけづらい、チームや組織全体で取り組む意義が薄いなどのデメリットを感じていましたが、それらを同時に解消してくれる点で非常に有益なツールだと感じています。

FFS理論とは「自分を知り、他人を知り、組織を知って、個人がより活躍でき、相互作用によって組織がより生産性を上げるための、最適な組織編成を考えることのできるデータや研究に裏打ちされた、分かりやすくて奥深い理論」

知名度で言うとジョハリの窓やMBTI性格分析(16 Personalities)の方が有名でしょうが、やはり前述のように文化や先祖代々刻まれた遺伝子レベルの際も有りますから、日本人向けに開発されたツールを使うのが良いと思います。

例えば人間関係の中で、自分に理解しにくい言動に出会ったときに、「これは、自分とは違うタイプの考え方が背景にあるのでは」と気づくことができたら、ムダな誤解や気まずさを避けられる。そのためのヒントになれば、連載の筆者としては十分に嬉しいことです

ヒューマンロジック研究所の代表取締役 古野俊幸

FFS理論を駆使した企業研修や人材活用を研究する会社の代表を務める古野氏もそのように語っています。

リンクを張っておきますので、是非試してみて下さい。

【FFS理論

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