こんにちは!かっきーです。今回の質問は、男性看護師さんから寄せられた【男性看護師にお勧めの転職先】ですね。確かに、精神科病棟や手術室で男性が重宝されるのはわかりますが、男性看護師ももっと幅広い選択肢を持ちたいですよね。おすすめの転職先、ご案内します!今回も一問一答記事なので、サクッと読めちゃいますよ。
精神科や手術室ばかり配属される男性看護師
精神科は突然暴れだす患者さんを抑えるため男手が必要、手術室は体力勝負だから、、そんな理由で男性が重宝されるのはわかります。
しかし、ただでさえ産婦人科×小児科△小規模クリニック△と働き口が限定されてしまう男性看護師さんからするともっと平等に働き場所が欲しいのが本音ですよね。
どこかにもっと自分を必要としてくれる場所はないだろうか?安心してください!たくさんありますよ!
男性看護師が採用されやすい&より必要とされる転職先➀脳外科病棟!
一つ目の候補は、脳・脊髄・末梢神経を専門とする脳外科病棟です。頭部の外相や脳卒中、脳腫瘍など脳の疾患から、脊髄・脊椎の損傷が主な疾患です。
神経障害により、痙攣や片麻痺、歩行障害、などで介助を必要とすることが多く、看護師さんは体力に加え体を支える力もある程度必要になります。緊急度の高かったり容体が急変する患者さんも多く、特にハードな病棟です。
体力×パワー×察知力×学習意欲=脳外科適正!
認知機能が低下したり会話に支障がある患者さんも多いので、急変を察知するモニター管理、バイタルサイン、フィジカルアセスメントを通して異常を早期に察知する力や観察力も必要になります。
人手の少ない夜勤は特に大変です。優秀な男性看護師さんは力もあるので一人で二人分の仕事をこなしてくれたり、夜勤に居てくれるととってもありがたがられますよ!
様々な患者さんを経験できることと、日々の変化に気付いた時の喜びが高い部分にあります。
確かに体力的にはハードにはなりますが、患者さんが回復に向かっていく喜びや、ちょっとした変化に家族と喜ぶ場面は元気をもらえます。不穏状態をコントロールできた日は帰り道も軽やかになります。
ただハードであることは変わりがないので、興味があるなら体力がある内に経験することをオススメします。
脳外科病棟で働くメリット
脳外科で働く一番のメリットは、急性期、慢性期の双方を学べる点でしょう。患者さんの年齢層や重症度も広い方なので、様々な看護技術を学ぶことができます。
加えて、脳外科の疾患は他科の疾患とも紐づくことが多いため、学んだ看護技術をその後の異動・転職先でも生かすことができます。そのため、他科に移る際も脳外科病棟経験者は重宝されます。
また、苦手な看護師さんが多いドレーン管理にも習熟できるのも今後の長い看護師人生を考えるとプラスに働くでしょう。
更に!脳外科は看護師さんに必須の察知力・観察力を磨くにも適しており、進化が速い分野なので日々勉強することも必然的に多くなり、脳外科を経験した看護師さんは看護師としての習熟が速いと言われたりもします。
今後どんな看護師キャリアを積んでいこうか、まだ迷いがある男性看護師さんは、脳外科病棟を選ぶことで今後のキャリアの幅を広く持つことができます。
大変かもしれないけど、男性が重宝され、かつ様々な未来が描ける脳外科病棟、魅力的な選択肢ではないでしょうか。
男性看護師が採用されやすい&より必要とされる転職先②透析室&透析クリニック!
透析室及び透析クリニックも、男性看護師さんの需要が高い科です。透析に携わる看護師さんはシャント穿刺など専門的な医療行為があることや、長期的に患者さんと接点を持ち続けるプラニングが重要になる点、健康の管理や指導を行うためコミュニケーション能力が必要になる点が特徴です。
透析室&透析クリニックはコミュニケーションと生活指導が大事!
シャント穿刺は侵襲行為ですので注意すべき点も多いですし、透析中は体液量の変化による血圧の低下や、体調変化が起こりやすいため、注意深く観察・様子を記録する必要はがあります。しかし、手順自体はある程度決まっているので慣れてしまえばルーティンワークに感じるかもしれません。
透析看護師の腕の見せ所は、一回約4~5時間、週3回来院する透析患者さんに如何に円滑にコミュニケーションを取り、その中で食事や活動の制限、体調の管理を行ってもらうよう生活習慣の指導をしていくか、患者さんの管理・指導能力です。
合併症の予防のため生活習慣を規則的にすることがいかに重要か、事務的に説明しても耳には届いても心には届きません。信頼できるお医者さんや、知識の豊富な臨床工学技士さん、そして親身になってくれる看護師さん。声が心まで届くかどうかは、築いてきた関係性で決まるのです。
さて、日本透析医学会のわが国の慢性透析療法の現況 第2章 2020 年慢性透析患者の動態によると、2020 年の患者調査票において,性別,年齢が記載されていた透析患者数は 336,759 人、うち男性は 222,510人と、3人に2人は男性患者さんです。
野球やサッカーの話など雑談においても、食事の好み、生活習慣などは男性看護師の方が共感できる部分はあると思いますので、その点でも男性看護師さんは透析病棟における患者さんとのコミュニケーション、生活習慣の指導に向いているでしょう。
透析室や透析クリニックで働くメリット
透析クリニックは状態が安定していて急変応対の少ない患者さんが多く、看取りも無いため、精神的な負担は少なくて済みます。また、患者さんとは一日4時間、週3回ととても密な関係を気づくことになるので、元から患者さんとの距離が近く寄り添いながらケアができる点を看護師の魅力と感じていた看護師さんには、追い求めていた看護師像を実現できるかもしれません。
また、透析患者さんは決まったスケジュールで通院されるので、看護師さんのシフトも安定し、残業もほとんどと発生しません。その分プライベートを充実させたり自己鍛錬に充てられるのも透析看護師さんの魅力です。
更に、認定看護師(透析看護)、慢性腎臓病療養指導看護師、透析技術認定士など専門資格を取得しスペシャリストとして長く活躍できるのも大きなメリットです。
男性看護師が採用されやすい&より必要とされる転職先③訪問看護
訪問看護師として働くメリット
男性看護師は、女性看護師よりも求める給与水準が高い傾向にあります。その点、夜勤がないにもかかわらず平均的な看護師の給与水準を超える収入も目指せ、経験を積めば自身で起業も出来る訪問看護師は、男性看護師さんの働き方として充分選択肢に入ってくるでしょう。
訪問看護師の最大の魅力は、時代のニーズに合っていることでしょう。高齢化がピークを迎え、政府も厚労省も在宅医療・訪問看護の供給体制を増やすよう方針を定めています。訪問は様々なスキルが要求されるためどうしてもベテランが多いですが、訪問看護業界は慢性的な人手不足もあり、経験の浅い若手も積極的に受け入れ、一から育てるようになってきています。
若いうちから訪問看護を経験し病院勤務では得られない経験を積むことは、いずれ病院に戻ったとしても転職活動で高く評価されます。
また、もう一つの魅力は収入面です。平均的な看護師の収入は女性の平均年収は大きく上回っていますが、男性の平均年収は下回っています。男性看護師さんの中にはその点を気にしてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、訪問看護の経験を積むと、自身が経営者となり訪問看護センターを経営するなど、通常看護師として勤務しているだけでは絶対に得られないレベルの収入(年収1億円越えなど)も可能になります。
もちろん経営者なので看護師としてのスキル以上に経営者としてのスキルやセンスが求められ、学ぶべきことはとても多いですが、看護師の資格を活かし経営者になる道は限られており、訪問看護センターの経営はその数少ない道の一つとしてリターンの大きい魅力的な選択肢だと思います。
勿論、業務自体も人地日土地の患者さんとしっかりとコミュニケーションを取りながら、じっくり向き合う看護が実践できるなど、業務自体のやりがいを感じる看護師さんも多くおります。特に急性期など患者さんの入れ替え割が激しい病棟が合わなかった看護師さんは、大きなやりがいを感じられるでしょう。
男性看護師が採用されやすい&より必要とされる転職先④検疫官
検疫官も男性看護師が大いに活躍できる場です。検疫官とは、看護師の資格を活かした国家公務員として空港や港、厚労省本省で勤務する国家公務員で、
- 検査検体や有症者の対応
- 入出国者への感染予防業務、相談業務
- 衛生調査業務
- 船舶調査業務
- 厚労省本省業務
といった業務を行います。
検疫官の業務は、公務員としての安定性やキャリア形成の基準が明確な点、論理性が重視される点などで男性看護師から人気が高く、また男性看護師の需要も多いお仕事です。検疫官についての詳細は以下の記事で紹介しておりますので、ご参照頂き、興味を持たれた方はぜひ転職先の選択肢に入れてみて下さい。
国家公務員だけあり採用基準が高くなるまでのハードルが高いのが難点ですが、当サイトでは検疫官の採用試験対策も行っておりますのでお気軽にご相談下さい。
男性看護師が採用されやすい&より必要とされる転職先⑤看護系技官
看護系技官は、看護師(保健師、助産師)の資格を活かし医療の専門家の立場で厚生労働省の職員として働き、「社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上・増進」や「働く環境の整備・職業の安定・人材の育成」に関する政策を企画・立案・実施するお仕事です。
こちらも検疫官同様、国家公務員で安定性やキャリア形成のしやすさなど、男性看護師さんの転職先として魅力的です。
看護系技官についてはこちらに詳しく説明しておりますのでご一読ください。
男性看護師の未来は明るい!
現在はまだ男性の割合は1割に過ぎない看護師業界ですが、10年前は5%、5年前は7~8%程度だったことを考えれば、急速に増えていると言え、今後その傾向はますます加速していくでしょう。
実際に女性だけの病棟に男性看護師が一人入るだけで一気に風通しがよくなったり、病棟内の噂話や陰口が減ったりと、働きやすくなるという女性看護師さんからの声も後押しになっています。一度男性看護師さんが入ったことがある病棟はその副次的な効果も理解しているので、たちまち男性看護師さんの採用に積極的になったりするもの。あと10年以内には、(婦人科は厳しいかもしれませんが)ほとんどの科や病棟で女性看護師さん以上に重宝されるようになるのではないでしょうか。
現段階では記事に乗せたような転職先をお勧めしていますが、より門戸が開かれる将来を見据え、男性看護師さんは自身の道を限定せずに広い視野で将来設計を考えて欲しいなと思っています。