看護師転職ウラ事情!看護師さんが知らない病院の㊙採用基準とは?②

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こんにちは!かっきーです。病院が採用活動を行う際に考えていることにフィーチャーしてご紹介いたします。何度も言っていますが、転職活動はお見合い(古いですね💦今はマッチングアプリ、かな?)です。自分のことだけを考えていても相手に好かれないように、採用を勝ち取るには、自分を知り、相手を知り、マッチするところをアピールする必要があります。自分の得意でも、相手が必要としてないことであれば、アピールしても仕方ありません。病院の気持ちを知り、マッチしたアピールポイントを見つけられるようにしましょう。

【この記事を読むメリット】

  • 病院の採用基準がどうやって決められているのか、どんな看護師さんに決め欲しいと思っているか分かる!
  • 何を伝えれば志望先の病院に「刺さる」のかが分かる!
  • 記事を読んでもわからないことが有れば個別に質問・相談できる!

応募活動の実施

せっかくのブランディングも、それが看護師さんたちに伝わらないと意味が有りません。新卒と異なり、転職市場の看護師さんは既に自分の看護を持っている人も多いです。

なので、待遇だけでなく、看護部のビジョンを明確に打ち出した募集活動を行うことが、中途採用では特に大切です。しかし、新卒採用と比べ予算が限られている転職市場では、インターンシップや病院説明会を開催し直接職場の雰囲気を味わってもらったり、看護部に転職希望者とのコミュニケーションの機会を作ってもらうことは中々難しいのが実際です。 

そこで、最近では、SNSやYoutubeなどのデジタルメディアを使う病院が多くなってきました。

SNSでは転職希望者からのメッセージを受け付け質問に答えるなど、双方向のコミュニケーションで親しみを感じてもらえる利点があります。

Youtubeは実際に働いた時の業務の様子、スタッフの雰囲気が伝わりやすく求職者にも好評です。山口大学病院や愛知県の半田市立半田病院などは、Youtubeに看護師さんの一日の業務の様子をアップするなど、上手にデジタルメディアを活用しています。

デジタルメディアは、悪い評価・悪いうわさも一瞬で拡散されますから、信頼が命の病院運営においては諸刃の剣です。逆に言えば、それを積極的に活用しているということは、患者対応にもスタッフの勤務環境にも自信が有るのでしょう。

また、病院の採用活動の中心はやはり転職サイト。転職サイトのエージェントさんにも、病院の目指す方向性、ブランディング、採用しする看護師さんに求めるもの、それらを具体的に伝えている病院だと信頼できますね。

逆に、「キャリアは4年目以上で、脳外科の経験が2年以上あること」「月3回夜勤に出れること」など、経歴やシフト希望だけで条件を伝える病院は、採用におけるブランディングが明確にされているか不安になりますね。

かっきー

看護師さんは、転職サイトのエージェントさんに病院から出された希望条件を聞いてみると病院選びの参考になると思います。

現在の求人規制では年齢や性別、キャリアの制限をして募集を掛けることが出来ない

また、ご存知の看護師さんもいらっしゃるかもしれませんが、現在は求人における募集の規制が厳しくて、年齢や性別、経験年数による制限を募集段階で掛けることが難しくなっています

十数年前であれば、

「30歳から~40歳の間で、オペ看キャリア5年以上の女性看護師」

などとピンポイントで欲しい人材を絞って募集できたのですが、今は病院が求める層と同様だったとしても

「看護師募集。未経験可」として応募を掛けるようになっています。

個人的には、これは全く意味の無いことだと思います。実際に応募する人は受からないのに応募の手間がかかってしまいますし、病院も今回は条件に合わず採用出来ないけど、違う機会に受けてくれれば採用したい人材だったかもしれません。

きにゃこ

一度落ちたところは、受けにくいですよね。病院側でほんとは最初から年齢やキャリアで対象外だったのか、個人の資質で落ちたのか、私にはわからないし

このような「求人」規制は、「採用」までを含めた規制ではありません。結局「未経験可。年齢性別問わず」という募集を掛けたとしても、「30歳から~40歳の間で、オペ看キャリア5年以上の女性看護師」しか採用しないのは病院の自由です。入口を広くしてチャンスを作ってあげましょうねという規制なのですが、出口が開かれていない求人に何の意味が有るのでしょうか。

さて、このような規制が出てしまったことで、病院は募集手段に工夫を凝らすようになりました。例えば、実際の採用対象の年代の間でなにが流行っているのかを調べて、そこにフィーチャーした媒体に募集広告を打ったり、20代対象ならおしゃれなパンフレットを配り興味を引き、40代以上が欲しい場合は、外部に向けた管理者研修などを積極的に開き病院を認知してもらうなどです。

応募媒体も大事!

また、広告規制は広く一般に募集を掛ける際の規制です。ですから、エージェントを介した転職サイトによる募集であれば、制限なくピンポイントの希望を伝えられます

ですので、求人規制がかかってからは、病院にとって転職サイトはよりありがたい存在になりました。その意味でも、転職サイトは積極的に活用することをお勧めします。



かっきー

小規模な無床クリニックの場合は、転職サイトに払う高額な報酬を払うのが難しく、利用していないところもあります。

それ以外だと、系列病院からの異動を募ったり、タウンワークやindeedのような求一般人誌に掲載したり、地域の看護協会に求人依頼をすることもあります。

ちなみに、批判覚悟で申し上げますが、正直ハローワークは不人気です💦(忖度の無い本音の情報を伝えることも意味が有ると思っていますので、ご容赦ください)

「ハローワークを利用して入職した看護師さんは、離職率が高い」積み重ねてわかってきたこのデータが、主な原因です。看護師さんの離職率は、3か月以内で約12%、6か月以内で約23%と、ただでさえ高い数字なのですが、ハローワーク利用者は6か月以内で30%を超えるなど、更に高くなります。

また、私が以前お話ししたクリニックの院長先生は「看護師はハローワークなんて利用しなくても職は得られるだろう、わざわざ手続きが面倒なハローワークを利用するのはなんでだ?どこも落ち続けてる子なんじゃないか?」とおっしゃっていました。

おそらくハローワークを利用している看護師さんの多くは、休業手当のメリットを考えて登録されたのでしょう。しかし、それを伝えても「休業手当目当てか、お金にうるさそうだな」と負のイメージを覆せませんでした。医師は金銭感覚が我々とはかなり異なります。

なんせ、夜勤バイト1回で10万円、地方だと20万円近く入るのですから。一般人がお金でどれだけ苦労してるか、休業手当がいかにありがたいかなども、分かってくれない人もいるのです💦

ハローワークには無料で載せられるので、とりあえず掲載を依頼する病院は有りますが、ハローワーク経由よりも転職サイトを経由した方が病院の印象は良い気がします。

ただ、転職サイトが病院と信頼関係を築いているかも重要です。もし転職サイトと病院の関係がこじれていると、あなたには全く非が無いのに、悪い印象を持たれてしまうことが有ります。

かっきー

例えば、転職サイトA経由で紹介を受けた看護師さんが入職後2週間で辞めてしまったとか、あるいは病院が転職サイトに伝えた希望とは合わない看護師さんを以前紹介してきたことがある、などです。

その場合、あの転職サイトからの紹介か、、今後の子は本当に大丈夫かな?と、あなたに会う前から不信感を抱かれてしまっている可能性もあります。勿論、逆に今まで何人も病院の希望にマッチする看護師さんを紹介してきて、もうこのサイトからの紹介なら間違いないなとプラスのイメージを持たれていることもあります。

当サイトでも、転職サイトは厳選して紹介しています。私も事務長時代に実際に利用したことが有ったり、良い評判を聞くサイトのみ紹介していますので、安心してご登録ください。

もしあなたが複数の転職サイトに登録していて、実際にどのサイトから紹介してもらうか迷ったときは、「御社からこの病院には今まで何名くらい採用されていますか?」など聞いてみると良いでしょう。基本的には、多いほど信頼関係が築かれていると思っていいでしょう。

もちろん、実際に採用されるかどうかはほとんどがあなた自身で決まります。しかし、どちらの看護師さんも同じくらい採用したいな、でも枠はもう一つしかない、どうするか、、、となったときは、転職サイトとの関係を考慮する可能性はあるでしょう。

目次

病院の看護師採用計画③応募から採用まで(採用過程)

転職試験合格!

実際に看護師さんが応募し、履歴書審査(一次審査)を経て、面接や採用試験(二次審査、大病院では三次まである場合も)、晴れて採用!となるまでの過程を見ていきます。

大病院の場合、履歴書の確認や面接は現場担当者や人事部門が行い、通過者は部長クラスによる二次面悦を行い、最後に院長・事務長クラス が確認をしGoサインを出すパターンが多いでしょう。

中小病院や有床クリニックでは、履歴書の確認と一次面接を看護部長&人事部長が行い、院長や事務長が確認しGoサインを出すパターンが多いです。

無床クリニックの場合は、履歴書を持参し院長が直接面接をし、早ければその場で合否通知をしたりします。

履歴書で何を確認しているか、面接で合否を分けるポイントは何か、などは下記の記事に詳しく記載してありますので、そちらをご覧下さい。

病院の看護師採用計画④看護師さんが定着してくれる職場作り

仲良しの同期看護師3人組

病院の転職人事は、採用して終わりではありません。むしろ、大切なのはここから。いかに続けてもらうか、看護遺産が辞めない職場作りが大切です。

看護師さんが早期退職しない環境作り➀ブランディングはスタッフの定着にも重要

そのためには、せっかく入職したのだから「看護師さんがやりたい看護を目指せる環境作りが何よりです。ブランディングに基づく採用がしっかりできている病院は、価値観の合った看護師さんが入職してきてくれます。あとは、せっかくのブランディングが、現場で実践されていれば、転職者の期待を裏切らずに済みます。

実際に、退職者面談をすると、「思っていた職場と違った」という回答が最も多いのです。

また、看護部と人事部の連携が取れていない病院の場合、看護師さんの実像を知らないまま人事部主導の教育プログラムを作って実践させようとします。その場合、看護師さんの感覚とギャップが生じることが多いです。

例えば分かりやすい新人教育の場合を例に出すと、人事部主導の場合、彼らは院内データのほかに厚労省の『新人看護職員研修ガイドライン』を参考に教育プログラムを作ります。

ガイドラインには、新人看護師が入職時に身に付けておきたい基礎技術が103項目挙げられていますが、実際に新人看護師さんが「1人でできる」と認識しているのは、たった4項目しかありませんでした。

しかし、実情を知らない人事部は、その103項目を出来るものとしてプログラムを組んだりします。そこでいきなり看護師さんと大きなギャップが生じます。

中途採用者でも事情は同じです。3年目ならこのくらいはできるだろうという人事部の見立てと、看護師さんのリアルに乖離がると、どうしても早期退職事由に繋がります。

そのようなことが無いよう、下記の記事を参考に、院内の連携がきちんととれている病院を選んでください!

看護師さんが早期退職しない環境作り②同期間コミュニティーの形成

看護協会の「新人看護師が一年以内に辞める理由」という調査では、「困った時に相談できる仲間がいない」という理由が上位にあります。これは、病棟に同期がいない中小病院に特に多いようです。

同期の存在は新人看護師さんにとって大きな支えで、自分の上達速度を図るペースメーカーにもなってくれます。そしてそれは転職看護師さんでも同様です。

即戦力を期待されていると思い込み、早くこの病院のルールを覚えないとと焦り、ストレスになったり、尺度になる存在がいない分余計不安になります。

ですから、中途採用者にも全体研修を行うなど同期コミュニティーを作り、つながりを持てるような環境を作るなど工夫している病院も出てきました。

看護師さんが早期退職しない環境作り③即戦力を求めない!

現在では、中途採用の看護師さんにも単に経験を求める病院は少なくなりました。新卒同様、教育の視点を持ち、目的を持った採用をしています。

しかし、病院全体ではその方針を持っていても、現場の看護師さんの中には、早く仕事覚えて力になってよ!という有形無形のプレッシャーを掛けてくる看護師さんもいます。特に自身に転職経験が無くてずっと一つの病院で働いている人(いわゆるお局!)は、転職者の苦労が分かりません。

病棟からの即戦力の期待が転職者の不安をあおってしまうと、早期退職に繋がり、結果的には病棟の人員不足、そして今いる看護師さんのさらなる負担増加に繋がってしまいます。

ですから、現場の看護師さん一人一人にも、転職者に即戦力を求めず、教育の視点を持つことの重要性を徹底して理解させる必要があります。

転職者にもプリセプターを付けるなど、一時期は負担になっても長期的に考えればチームの負担を減らすことになるのではないでしょうか。

看護師さんが早期退職しない環境作り④ワーク・ライフ・バランスを含めた支援を!

「医療者はプライベート持つべからず」という時代を引きずっている看護師さんが、まだしらっしゃいます。しかし、私生活の充実が仕事にも好影響をもたらすことは、当サイトでも繰り返しお伝えしてきました。

病院が看護師さんの私生活の充実までをケアの対象にすることは、結果的に退職者を減らしたり、業務効率を上げることに繋がります。

例えば、それぞれが考えるワーク・ライフ・バランスの理想を、「わがまま言うな、他の人のことを考えろ」と退けるのではなく、全員の希望を取れば一部でも改善することはできるはず。

「あ、実はずっと私に都合のいいシフトになってたんだな、今度は私が我慢しなきゃ」など、それぞれの希望を知ることで他人の気遣いや我慢を知り、思いやりを持つきっかけになるかも知れません。

まとめ

病院側から見た採用活動、如何でしたでしょうか?看護師さんが知っておくと転職活動を成功させるヒントになることが有れば幸いです。

改めて、ポイントを4点まとめておきますね。

  1. ブランディング戦略に基づき、転職希望者に伝わりやすいように病院の広報活動をしている病院は、入職後の研修・教育システムも期待ができ、かつ院内の雰囲気つくりやチームワークの向上にも気を使っているところが多い
  2. 看護師さんは、転職サイトのエージェントに、病院からどんな看護師さんに来て欲しいと言われているか聞いてみて、採用におけるブランディングが明確にされているか確認すると良い
  3. 中途採用では、良いところをアピールするよりもネガティブリストやノックアウトファクターに当てはまるようなマイナス要素を取り除く方が大事!
  4. 採用だけでなく、定着まで考えたブランディングが出来ている病院を選ぼう

採用ブランディングに力を入れており、それが休職中の看護師さんに伝わるような広告展開が出来ていて、現場までその理念が伝わっている病院は、看護部と連携が取れた優秀な事務局が存在しているはずです。

事務局が優秀かどうかは、(目には見えないかもしれませんが)あなたの看護師としての働きやすさにも大きく影響します。現場が最も気になるとは思いますが、ちょっと違う視点で、病院のことを考えてみると、知名度は無くて倍率は低いけど穴場になっているような働きやすい病院を見つけられるはずですよ♪

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