あなたの病院はブラック?看護師が働きやすい病院を見抜く7つの視点!

だめ!
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こんにちは!かっきーです。今回はあなたが務めている病院や、この先転職先として考えている病院が看護師さんにとってブラック病院なのかホワイト病院なのかを見抜くコツを記事にしました。キャリア選択の参考になれば幸いです。お時間ある方はどうぞご一読ください!

【この記事を読むメリット】

  • 看護師のワークライフバランスや勤務環境を真剣に考えている病院とそうじゃない病院を判断できるようになる!
  • 良い病院良くない病院が見抜けるから、なんとなくだった転職活動に明確な判断基準を持てる!
  • 表面的な待遇に表れない病院の体質がわかるから、入職後にこんはずじゃなかったと後悔することが無くなる!
  • 具体的な指摘をするので、自分が行きたい病院がどうなのか判断しやすい!
  • 記事を読んでもわからないことがあれば個別に質問・相談できる!
目次

あなたの病院はブラック?看護師が働きやすい病院を見抜く7つの視点とは?

労働者の権利拡大や多様な働き方が叫ばれる中、看護師も法律上強制的に適用される働き方改革施策がとられるようになってきました。育休時の夜勤免除制度や正規雇用者と非正規雇用者の勤務条件の格差改善など、病院にとっては人件費拡大や看護師人事の複雑化など、経営陣の考え方や人事部のマネジメント能力が問われるようになってきています。

しかし、病院経営は他業種に比べ30年遅れていると言われており、まだまだ法律さえ守っていればいいという後ろ向きな労働環境しか提供していない病院も多いのが現状。

結果的に、病院ごとの組織戦略の差が明確に表れるようになってきました。週休3日制度や定年後の正社員再雇用、育休復帰からのステップアッププランなど寺院の現状に即した対策を取れている病院と、増えた負担をどうしていいか分からず手をこまねいている病院や、スタッフに負担を押し付けるだけの病院、、。

経営方針や人事方針は、看護師さんの働き方に短期的にも長期的にも大きく影響を与えます。どんな点に注目すれば、良い病院=看護師さんにやさしい病院を見抜くことができるのか、7つのポイントを具体的に解説していきます。

皆さんも、現場でどんなに声を上げても上に届かなくて悔しい思いをしたことがあると思います。

どんな点に注目すれば、良い病院=看護師さんにやさしい病院を見抜くことができるのか、7つのポイントを具体的に解説していきます。

課題の解決に取り組もうとしてくれます。そこが大事なのです。

皆さんも、現場でどんなに声を上げても上に届かなくて悔しい思いをしたことがあると思います。

※なお、7つのポイントを実行して働きやすい病院を実現するためには「増加するコストをいかに捻出するか」「いかに条件に合う看護師さんを採用するか」「院内の他部署とどう折り合いをつけるか」など経営上の問題が噴出します。しかし当サイトはあくまで看護師さんのキャリアサポートのサイトですので実現のための戦略については記載しておりません。院長様、事務長様などからの経営戦略についてのご相談は公式LINEやメッセージまでお願いいたします。

働きやすい病院のポイント①看護師さんの年代がほどよくバラけている

和やかな看護師ミーティング

病棟内の年代構成は、病棟の人事計画が上手くいっているか、明確な意図をもって長期的な計画のもとプラニングされてきたかを図るうえで、重要な判断基準になります。

中長期的な視点を持たずに、シフトの穴を埋めるためだけの採用活動をしたり法律の基準を守ればいいと形式的なワークライフバランス(以下WLB)だけを考えていると、20代と50代、もしくはそのいずれかに偏った病棟が生まれます。

しろぽん

うちの病院は育休から復帰したとたん夜勤へのプレッシャーが凄くて、育休機関終わったら退職する看護師が多いです。だから20代と、転職採用組の50代ばかり。

病棟の長期的な安定運営を考えたら、50代のベテランに仕事を任せながら30代後半~40代の中から看護師長などの責任あるポジションを任せ、20代後半~30代前半に主力として働きつつ若手の育成を担ってもらうのが理想の形です。

30~40代は転職を繰り返すよりも落ち着いて一生働ける病院を探していますから、子育て世代の短時間勤務者や夜勤ができない人も正社員へのステップアップの道を開いたうえで採用し、徐々に夜勤回数を増やしてもらうような段階的な策を取るべきです。

長期的な視点が無いと30~40代がぽっかり抜けたままにもかかわらず、20代50代の即夜勤に出てくれる人を採用→定年退職や寿退社や育休からの早期退職で抜けた夜勤の穴をまた20代50代の採用で埋めるという循環でやりくりするようなその場しのぎの組織になってしまうので病棟内に充実した教育システムや病棟全体での理念が育っていかないのです。

20代・50代の看護師さんにとっても、良い職場環境とは言えないことが多いのです。

働きやすい病院のポイント②産休や育休からの段階を踏んだ復帰プログラムがある

説明をする看護師さん

では、30~40代の看護師さんが働き続けてくれる職場とはどんな職場でしょうか。

結論から申し上げると、産休・育休からの復帰後の段階的なプログラムを整えていることが大切です。育休明けの看護師さんは、5年近くのブランクがあり通常の業務についていくだけでいっぱいいっぱい。

にもかかわらず、免除期間を終えるとすぐに月6回の夜勤を求めるなど、通常業務に戻そうとする病院がいまだに存在しています。

30~40代の看護師さんが多く働いている病院は、育児による夜勤免除・短時間勤務から明けた後も、

  1. 平日の8時間勤務
  2. 土日いずれかの出勤
  3. 月2回までの夜勤
  4. 月4回までの夜勤
  5. 通常業務への完全復帰

など段階を踏んで徐々に(2~3年掛けて)体と心を慣らしていける仕組みを作っています。

上記は一例にすぎませんが、看護師人事が上手くいっている病院は育児介護休業法の制定が決まった時点で段階的な復帰に向けて新卒や中途採用のバランスを変更したり夜勤評価システムを一新するなどWLBに対応できる人事プログラムを組む努力をして今を迎えています。

なお、実際に子供を産み育てる選択をしなかった30~40代にとっても、上記の仕組みがあることは重要です。上記の仕組みが無いと「免除期間が終わる→退職→残った看護師さんにしわ寄せ」という流れになり可能性が非常に高いですし、そもそも転職活動をする際は自分も産休や育休を取る可能性を見据えて病院を選ぶこともあるでしょう。

上記のような仕組みを転職活動の際に説明できる病院は、やはり人気が高く選ばれやすいです。結果的に出産・育児の選択をしなかったとしても30~40代が働きやすい職場になり、年代構成のバランスも保たれやすいのです。

働きやすい病院のポイント③多様な働き方の中でも、それぞれがエースを目指せる仕組みがある

また、多様な働き方を本当の意味で認めるためには、どんな働き方でも昇進やステップアップの可能性があることが大切です。

2019年の調査によると、

夜勤のある部署に所属していながら、夜勤を行っていない看護職員の割合は 13.5%、また、短時間勤務の看護職員がいる病院は 63.3%であり、短時間勤務の正規雇用職員の割合は全国単位で 4.0%

就業継続が可能な看護職の働き方の提案 2021 年 3 月 公益社団法人 日本看護協会より

となっています。夜勤免除も法律上の基準で免除される看護師さんに仕方なく特権的に与えているのが現状で、短時間勤務も、逆に言えば短時間勤務を認めてもらえる看護師さんが一人もいない病院が36.7%もあるのですからまだまだ改革が進んでいるとは言えません。

短時間勤務や週四回勤務の正社員を雇うことは実は病院にとっても中長期的にメリットが多いのですが、目の前の課題で手一杯、シフトの融通を聞いてあげられるほどの余裕が無い病院がまだ多いのです。

このように、多様な働き方を認めることは難しいのが病院にとっての実情ですが、先進的な病院は一歩も二歩も進んで、多様な働き方を認めるだけでなく、それぞれの働き方でもステップアップを目指せるような仕組みを作っています。

一昔前は、結婚せずに新卒からずっと一つの病院で働き続けた人が主任、師長、部長と役職を上がっていくのことが多かったのですが、それらの先進的な病院はどんな働き方でもモチベーションを保ち、かつ責任感を持って働けてこそ、多様な働き方を認めたことになると考えています。

「ずっと時短勤務しかできないならうちでは正社員にはなれません」「夜勤に月4回以上入らないと役職にはつけません」と杓子定規に決めているようでは、時代に合わせた働き方を提供できているとは言えないのです。

確かに、働き方に大きな制限があると夜勤を含めた全体のマネジメントが必要な管理職は難しいでしょう。しかし、新たに日勤リーダーを作る、育休期間に業務研修をする役職を作り自身の経験を生かしてもらうなど、責任感とやりがいを持ち自身の必要性を感じてもらえるような仕組み作りが大切です。

きにゃこ

同期がずっと夜勤もこなしながら頑張っていて、看護師としての実力にも差がついていたのが後ろめたくて。でも師長が「育休中の後輩たちのケアはあなたに任せるわね!」と言ってくれて、私もできることがある!とモチベーションがバリ上がりました!

働きやすい病院のポイント④夜勤を福利厚生の手当てではなく能力給と捉えている

病院勤務の看護師さんの働き方を語るうえで避けては通れないのが、夜勤。

多様な働き方を認めると、どうしても夜勤に出てくれる人が少なくなってしまいます。看護師さんのWLBに関心が高い病院ほど、夜勤問題に頭を抱えることになるのです。

その問題を解決するためにどういう策を取っているかに、病院の姿勢が表れます。夜勤専従者を雇う、シフト制限のない人を採用する、夜勤手当を増やして夜勤に入ってくれる動機を増やす、、、これらは手っ取り早い手段ですが、人件費には上限があります。

その分今いる人にしわ寄せが来ます。夜勤に出れない人に退職を勧めたり、オペ室など夜勤負担の少ないかに移す、外来に配置するなどです。これでは、多様な働き方を認めているとは言えないでしょう。

また、夜勤に出れる看護師さんに負担が掛かりすぎるのも問題です。日本看護協会の調査では、夜勤後に24時間以上の休憩が取れていない病院が33.7%、正循環を作れていない病院は75.9%にも達します。

就業継続が可能な看護職の働き方の提案 2021 年 3 月 公益社団法人 日本看護協会より

では看護師さんの働き方改革に熱心な病院は、どのような夜勤対策を取っているのでしょうか。

まずは、夜勤に入れることを「少ない人数で多くの患者を担当し、かつ非常事態に単独で応じられる高度な知識と経験を持った看護師」として最大限の評価をすること、そしてその評価を能力給として示すことです。

福利厚生ではなく、能力給にするのです。すると看護師さんもプライドをもって夜勤に入ることができますし、ボーナスの額にも反映し、夜勤が無い人との給与差も大きくするようにします。

夜勤を免除されていた人も、それならと挑戦する意欲が出るかもしれません。夜勤ができない人を外来に移す、他の病棟に移すなど排除するのではなく、夜勤を能力の一つとみなし、ラダーに組み込むなど夜勤のモチベーションが上がるような仕組み作りをしていくことが大切です。

そうすることで、夜勤ができる看護師さんも家庭の事情やキャリア選択で夜勤にしている看護師さんも、互いの選択を尊重し不公平感を感じることなく勤務を継続することができます。

夜勤に入りたいと思ってもらうのは難しいかもしれませんが、プライドを持って取り組めるようにすると、新人ナースたちの夜勤へのイメージも変わってくるはずです。

働きやすい病院のポイント⑤看護学生への奨学金制度は致しません!

勉強に励む看護師さん

新卒採用はまさに戦争、多くの病院が看護師さんの確保に必死です。本来は病院内の制度改革、働きやすく看護師さんが定着してくれる環境を提供して、その代わり病院も自院の理念に合った看護師さん吟味して迎える。

これが、病院も看護師さんも幸せになる、本来の採用活動のはずです。

しかし、奨学金制度はまだ看護のかの字もわからない高校生を囲って、学費の支援と引き換えに将来の入職を約束させる制度です。当然、看護のかの字もわからないのに病院選びなど出来るはずがありません。

実習を何度も経験して進みたい科、行きたい病院ができても、奨学金制度の縛りでもう進路は決まってしまっています。

ある病院の事務長は「返金すればうちに来なくてもいい。退路は用意しているし、うちが奨学金を出さなければ看護大に入学できない子がいるのだから、私たちからしたら慈善事業のようなもの」と仰っていました。

しかし、それほどお金がない学生なら学生支援機構などの奨学金審査にほぼ確実に受かります。それなら将来の大切な進路を限定されることは有りません。

また、返金は大抵の場合一括での返金を求められます。お金がないから奨学金を借りているのに、一括で返済などできるはずがありません。

また、病院にとっても奨学金による入職戦略を採るということは「看護師資格さえ取れば誰でもいい」と言っているようなものです。

どんな個性や看護観を持ち、どんな看護にやりがいを感じるのか、うちの病院の方針と合っているか、今いる看護師とは上手く調和するだろうか、、そんなことが一切わからないまま実質的に採用する看護師を3、4年前から決めるわけです。しかも、奨学金制度を利用した看護師さんの多くが、返済不要期間を満了すると転職します。

それが分かっていて採用するのは、長期的な戦略を描いて採用をプラニングしているとは言えないのではないでしょうか。

看護塾で希望を持って看護の世界に進んでいく学生たちを見ているからこそ、そのような制度が存在することは悲しくなってしまいます。

奨学金の制度を取っている病院に転職する際は、慎重になった方がいいかもしれません。

しろぽん

もし看護師になりたい高校生が読んでいたら、、新卒の3年間は看護師としての大切な基礎ができる期間です。看護学生としてやりたいことができ、尊敬する看護師に出会い、取り組みたい課題が出来てから、じっくりと病院選びをして欲しいと思います。

働きやすい病院のポイント⑥人事部と看護部の連携が密に取れている

人事計画

働き方だけではなく、実際に働いて何をするかが重要なのは言うまでもありません。「こういう能力や個性を持った看護師が欲しい」と現場が声を出しても、人事部に届かず人件費との兼ね合いやシフト編成を重視した採用プランがとられてしまうと、せっかくの良い制度も上手く機能しません

看護師さんの要求が人事部に届き、逆に人事部も看護部に予算や人事評価制度についての丁寧な説明が有るなど、普段から密な連携を図る仕組みがあるかどうかも大切です。

働きやすい病院のポイント⑦退職者を(正社員再雇用など)高条件で迎える仕組みがある

ベテラン看護師と若手看護師

夜勤従事者不足、短時間勤務制度による夕方の人手不足、若手看護師の育成、主任や師長の補佐、あらゆる業務を任せられるベテランの頼もしさは現場の看護師さんにとっても、病院の経営側にとってもありがたい存在です。

しかし、50代前半まではバリバリ働いてくれてたのに、定年が見えてくると一気に覇気がなくなり、与えられた仕事しかこなさないようになってしまう。皆さんも、そんな現象は現場で目撃したことがあるのではないでしょうか。

私も最初は、やっぱり50代も半ばになると体力的にきつくなってくるよなと思っていました。

しかし、その原因は決して体力だけではなく、むしろメンタルの部分が大きいと気づいたのです。定年が見えて、あと何年で職場を離れる、もし再雇用してくれても今の働きとは関係なく給料は大幅に下げられる。そんな状況だったら、そりゃモチベーションが下がって当然です。

退職を伸ばしたり正社員並みの給与で再雇用する道を残しておけば、彼女たちは最後まで高い意欲と向上心を保ちながら看護師業務を全うできるのではないでしょうか。

まとめ~病院の良しあしは10年後20年後も見据えて判断しよう~

まだまだ多くの病院が、法律が定める最低限の基準で運営しているのが現状です。上記に挙げたすべての仕組みを備えているような病院は存在しないでしょう。それは求めすぎかもしれないなと書いていて思いました(笑)

どれか一つでも実践していれば、働き方への関心は高い病院と言えます。また、上記のような策へ移行するには病院の規模が大きくなるほど時間がかかるものです。

なお、記載しているのはあくまで「病院自体が」看護師さんが働きやすい環境を整えようとしているか、そのためのしくみが有るかについてです。つまり、土台部分にすぎません。実際には仕組みは作ってから実際に改善の効果がみられるまでに時間がかかるものですし、あなたが入職したときはまだその過渡期かもしれません。

更に、現場が病院のメッセージを受け取り自分たちも環境の一部だと理解し一緒になって改善を進めていく姿勢が求められます。

ですから確かに、環境が整った病院で働いたから100%働きやすい病院とは限りません。しかし、土台が有る病院は、現場が見つけた課題に真剣に向き合おうとする意欲があります。そこが大事なのです。

みなさんも、現場の声が上に届かず悔しい思いをしたことがあると思います。7つのポイントをおさえている病院は、少なくとも現場の意見をスルーするような病院ではないと自信をもって言えます。

今のお給料が高いか、単純な休日が多いかだけでなく、10年後20年後を見据え、長期的な視野で改革を進めている病院を選ぶようにしましょう。そうすると、働きやすい病院と出会える可能性はぐっと高まりますよ!

今回の記事を読んでもわからないこと、相談したいことがあれば、お問い合わせよりご連絡ください。記事を書いているかっきーが直接回答いたします。

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【参考文献】
ナースの働き方相談室,竹中君夫,2020,日本看護協会出版会
看護師という生き方,宮子あずさ,2013,ちくまプリマー新書
ナーシングビジネス 2019年6月号(第13巻6号)特集:「なりたい自分」になるための 看護師のキャリア戦略
就業継続が可能な看護職の働き方の提案 2021 年 3 月 公益社団法人 日本看護協会

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