看護師から検疫官へ!気になる給料や待遇、やりがいから採用試験まで!

空港でのお仕事
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こんにちは!かっきーです。今回は看護師資格を生かした他業種挑戦ということで、検疫官のお仕事をご紹介いたします。国家公務員である検疫官は看護師以上の安定性や福利厚生の充実など待遇の魅力もありますが、それ以上に日本全体の公衆衛生を守るというとてもやりがいの大きなお仕事です。なりたい!と思った時の履歴書の書き方、面接の受け方など、転職活動のアドバイスもしていますので、最後までお読み頂けると嬉しいです!どうぞよろしくお願いいたします。

【この記事を読むメリット】

  • 検疫官のお給料、福利厚生など待遇面ややりがいなどお仕事の魅力が分かる!
  • 看護師のキャリアで活かせる点や、どんな看護師さんに向いているかが分かる!
  • 情報が少ない検疫官の転職活動の情報、採用試験の合格の秘訣をご紹介!
  • 記事を読んでもわからなかったことは個別に質問・相談ができる!



目次

検疫官の給料・待遇から必要なスキル・資格、やりがいから面接対策まで!

検疫官ー今まで皆さんにとっても、それほど馴染み深い言葉ではなかったのではないでしょうか。しかし、コロナ禍で空港や港で感染症の水際対策に努め、その政策決定に関与する重要な仕事として国民の注目を集めました。

そしてこの検疫官、実は医師・看護師にしか就けないお仕事。看護師さんの資格を活かせる転職先として大きな魅力を持っています。まずはどんなお仕事なのか、どんなやりがいが有るのか、検疫官の声を参照しながら紹介していきます。お給料・福利厚生などの待遇面や、どんな人に向いているのか、どうしたら検疫官になれるのか、採用試験対策まで記事にしています。

検疫官ってどんなお仕事?気になる業務内容をご紹介

検疫官の業務は主に以下の五つに分かれます。

1検査検体や有症者の対応

フライトスケジュールに合わせ、航空機を利用した入国者に対して、検温や採血、問診などの検査によってチェック、検疫(感染症に罹患していないか)を実施、感染症の国内流入を予防する業務です。

2入出国者への感染予防業務、相談業務

空港や海港の出国ブースに相談カウンターを設け、渡航に関する相談や訪問国で気を付けるべき感染対策などの指導をする業務です。

3衛生調査業務

国際線利用者により感染症が持ち込まれないよう、空港 の政令区域内や航空機内の衛生調査・媒介動物の調査業務です。

4船舶調査業務

空港だけでなく港の検疫所でも、感染予防として海外渡航前の黄熱ワクチンの接種や、船舶の衛生状態に応じた船舶衛生管理証明書の交付、衛生状態の改善措置等を実施します。

5厚労省本省業務

厚労省の本省に勤務し、関係各所と連携しながら日本の政策や制度そのもの について携わる業務も有ります。

このように、検疫官は看護師の主たる業務である「診療の補助」や「療養上の世話」をする機会はほとんどありません。それよりも、感染症を中心とした疾患の予防や水際対策、日本国内への持ち込みが難しい食品のチェックなどに、今まで培った看護師の知識や経験を活かすことになります。ただ、看護師資格が必要なだけで基本的には全く別のお仕事なので、食品を中心とした衛生に関する知識・法律の知識など、新たに身につけなければならない知識は山ほど有ります。

また、対人業務だけでなく、看護師時代にほとんどなかった対物業務が多いこと、書類作成などデスクワークが多いのも検疫官の特徴です。

検疫官のやりがいは?検疫官の声をご紹介

現在のコロナ禍ではおそらく医療従事者以上の激務に見舞われているのが検疫官でしょう。全国に1,000人いる検疫官では絶対的に人員が足りず、自衛隊の衛生班などの応援を受けるなどして危機を乗り切ったようです。大変な苦労が有ると思いますが、自身の職務の重要性に改めて気づかされたという検疫官も居るのではないでしょうか。

構成朗号証省の検疫官募集パンフレットには、現役検疫官の仕事への想い、やりがいを語る声が紹介されていますのでいくつか見てみましょう。

入職当初、自分のデスクがあり、他職種の人と一緒に業務を行うという今までとは全く違う環境に戸惑う面もありましたが、今まで経験したことのないことばかりで楽しさを感じました。(中略)

国内にない感染症の侵入を防ぐため有症者に対して問診を行いますが、その中で今まで働いてきた中で得た知識やコミュニケーションのスキルが役に立ったと感じました。医療の第一線で活躍できるのは病院勤務ですが、病院とは全く違う環境の中で看護師としてのスキルを活かして働きたいと考えている人には、検疫所を一つの選択肢として考えてみるのも良いかと思います。(元看護師Sさん)

厚生労働省採用情報>検疫官(看護師)>採用パンフレット(https://www.mhlw.go.jp/general/saiyo/dl/20220422-01.pdf)より

検疫所では入国者の健康状態の確認、渡航者への情報提供、時には緊急時の対応もあり判断能力、コミュニケーション能力、また臨床での経験や応用力等を求められる場面があり、医療現場で培われた経験は検疫所の様々な業務で必要とされており、看護師としてのスキルを生かせることができる職場です。また、魅力の一つとして病院勤務では出来ない様々な経験ができることだと思います。空港や港といった勤務地、配属される場所によって業務内容が異なることもあるため、日々学ぶことも多く成長を感じられる職場だと感じています。(元看護師Nさん)

厚生労働省採用情報>検疫官(看護師)>採用パンフレット(https://www.mhlw.go.jp/general/saiyo/dl/20220422-01.pdf)より

検疫所の経験を経て本省に出向しましたが、看護師として初めてのポジションであったことから、自ら切り開くイメージで臨みました。本省では分からないことも多く、何もできない自分を嫌というほど思い知らされ、落ち込むことも多くありましたが、新たな仕事に挑戦できることや、本省での仕事の取り組みは刺激的でもあったため、続けることができました。また、他省庁の方々と対話する機会も多く、他では経験できない多くのことを経験しました。現在はこれらの経験を生かし、看護師のキャリアアップの一つとして、上席空港検疫管理官を目指すことができるよう仕事に取り組んでいます(元看護師Kさん)

厚生労働省採用情報>検疫官(看護師)>採用パンフレット(https://www.mhlw.go.jp/general/saiyo/dl/20220422-01.pdf)より

看護師時代に培った経験を活用するというよりも、新たな事にチャレンジする気持ちが大切だと思います。内部・外部の研修だけでなく、全国転勤、外部機関への出向や行政職としての研修を通し、スキルアップを図ることができる職場です。未知の感染症と隣り合わせのお仕事ですが、日頃から訓練を実施し、有事に備えています。大変やりがいのある仕事です。(検疫係長Kさん)

厚生労働省採用情報>検疫官(看護師)>採用パンフレット(https://www.mhlw.go.jp/general/saiyo/dl/20220422-01.pdf)より

予防医療や医療政策に関心が有る看護師さん、コロナ禍で感染症対策の重要性を再認識、最前線での対策業務に挑みたい看護師さんは、検疫官の仕事は大きなやりがいをもって務められるのではないでしょうか。

検疫官に必要なスキルや資格は?

薬剤の取り扱い

検疫官は正式な職名を「厚生労働省技官 検疫官」と言い、その名の通り厚労省の職員(国家公務員)となります。ですので、最終的に検疫官対象の「国家公務員採用試験」に合格することでキャリアがスタートします。
募集要項は以下のようになっています。

  1. 日本国籍を有する
  2. 看護師免許を取得している
  3. 応募時点で、看護師として3年以上の臨床経験(医療機関)がある
  4. 普通自動車免許を取得している

なお、准看護師の資格では応募が出来ず、准看護師としてのキャリアは「3年以上の臨床経験」にも含むことができないので注意が必要です。

しろぽん

検疫官には医師もいるんですが、医師と看護師は採用区分が異なるため、それぞれが就活のライバルとなることは有りません。良かった♪

検疫官の給料・年収・福利厚生など気になる待遇を紹介

1 勤務地

検疫官の勤務地は大きく分けて以下の3種に分かれます。

➀空港内検疫所=全30空港
2つの本所(成田・関西)
7つの支所(新千歳・仙台・羽田・中部・広島・福岡・那覇)
21の出張所

②港検疫所=全13検疫所
小樽・仙台・成田空港・東京・横浜・新潟・名古屋・大阪・関西空港・神戸・広島・福岡・那覇の各検疫所

③厚労省本省

です。基本的に、正職員は全国転勤がございます。長期的な人生設定は立てにくい反面、新しい出会い、知見、刺激が得られる点は大きな魅力です。

ただし、任期付職員であれば全国転勤がない働き方も選択できます。 

2 勤務時間

基本的には夜勤・準夜勤を含む週38時間45分の3交替制(シフト)勤務になります。多くの病院で採用されている3交代制なので、看護師さんはなれている人も多いかと思います。しかし、逆に言えば3交替制の看護師時代と生活リズムなどはあまり変わらないので、3交替制が合わなくて体調を崩しがちだった看護師さんは覚悟が必要です。

しかし、子育て期間の時短勤務制度や夜勤なしの働き方もできます。男性看護師さんは男性の育休も取ることができますし、日進月歩の医療の世界と比べると、復職後に新しく覚えなきゃいけないことが多すぎてついていけない!というようことも少なく、スムーズな復職を望めるのも検疫官というキャリアの良いところです。

3 給料(初任給)・昇給

給与: 219,300円~から(経験年数に応じて調整が入ります)
賞与:1年間に俸給等の約4.39か月分(令和3年度の支給予定額)
となっています。一般的な病院勤務の看護師さんの初任給と比べると低く感じるかもしれませんが、国家公務員ですので、下記のように福利厚生は充実しています。また、国家公務員の俸給制度が適用になりますので一般的な看護師さん時代より昇給率は高くなるでしょう

4 各種手当

1扶養手当(配偶者月額6,500円/子1人につき1万円等)
2住居手当(月額最高2.8万円)
3通勤手当(月5.5万円上限)
4地域手当(地域による。東京検疫所の場合、給与+扶養手当の20%)
などです。
国家公務員なので、福利厚生は平均的な看護師よりも充実しています。

このように、転職時の待遇(初任給)だけを考えると低く感じるかもしれませんが、福利厚生や昇給率を考えると、将来的には検疫官の方に金額的なアドバンテージは出てきますし、復職のしやすさ、時短勤務制度など働きやすさも魅力と言えます。

研修は?出世は?検疫官のキャリア紹介

キャリアアップ

1 研修制度

検疫官(看護師)は、大学を出ていきなり検疫官という方は一人もおらず、全員が中途採用の転職組です。ですから、、転職だからと肩身が狭い思いをする必要は有りません。

また、どんな病院のどんな科にに務めていても、検疫官に必要な食品衛生の知識などは勉強していないでしょうから、同期は全員未経験、横一線のスタートになる点も魅力的です。

また、そのような事情から転職組にも、下記のような充実した研修が用意されています。
➀職場内研修
(1)基本的な感染予防、防止策の広義と実践 (2)ワクチンの広義と事例検討 (3)防護服着脱訓練 など

②初任者研修(入省~6か月)
検疫所で勤務する初認職員として職務遂行に必要な基本的知識を学ぶ

③初任者フォローアップ研修
若手検疫官として関係法令位に基づき業務を行っていることを再認識。職責の自覚や方向性を明確にできる思考を養い、自立して職務に取り組むことができるようになる。
(厚生労働省採用情報>検疫官(看護師)>採用パンフレット(https://www.mhlw.go.jp/general/saiyo/dl/20220422-01.pdf)より)

このように充実した初任者研修の他、業務の実践と知識の確認を行うチェックシートの活用や、上司や先輩のフォロー体制など、検疫官として日々成長できるシステムが整っています。

2 検疫官のキャリア形成

入所後、一定年数が経つと、下記の検疫官指導者研修が受講できるようになります。

  1. 1若手の模範となる職員の養成を目的とした初級研修(入省後3年以上)
  2. 2将来の検疫行政の中核になる人物の育成を目的とした中級研修(入省後5年以上)
  3. 3検疫行政の中核となり、検疫所管の信頼関係の維持・促進を担う人材に向けた上級者研修(入省後7年以上)

他にも、厚生労働省本省や人事院等が主催する研修や感染症に特化した外部機関の研修もあります。本庁勤務になると、日本の検疫に関わる政策を決定する極めて重要な役割を担うようになります。まるでキャリア官僚のよう!

看護師として勤務を続けていると日本の政策決定に関われるような機会はまず得られません。日本全体に関わる重要な決定に携われるという点は、検疫官としてキャリアを積むことの大きな魅力と言えるのではないでしょうか。

3全国転勤について

ツアーナースの休憩

看護師さんにとって検疫官を一生の仕事にしようと考えた時に、大きな不安材料の一つが全国転勤制度ではないでしょうか。全国転勤をプラスに捉えるか、マイナスと感じるかで検疫官というキャリアの魅力も大きく変わってくるでしょう。ですが、看護師を志した学生時代から、おそらく皆さんは全国転勤の可能性なんて全く考えていなかったはずです。

ですので、イメージが付くように全国転勤に関するデータや声を集めてみました。

全国転勤のメリット

1人間関係で悩むことが減る
全国転勤になると、どんなに嫌な上司や同僚がいても、その人と一生顔を合わせる必要はありません。短くて1年、長くても五年程度の付き合いです。病院だと中々そうはいきません。早く結婚デモして退職してくれないかなあと思う人ほど独身を貫きますし、異動して欲しいと思う同僚ほど、認定看護師を取得して居座ろうとしたりします(笑)離れたいと思ったら、自分が転職するしかなくない、でもその人たちのせいで私が離れるなんて悔しい。そんな葛藤と戦っている看護師さんの相談は、もう何百回受けたことか。

嫌な上司だけど、来年にはもう居ない。そう思えるだけで、かなり心が楽になるのではないでしょうか。

また、別れが有れば出会いも有ります。数年ごとに新しい人脈がドカンと増え、この人に会えてよかったと思える友人や先輩、運命の恋人との出会い(?)の可能性も大きくなります。

逆に言えば離れたくない人との別れも来てしまいますが、それを繰り返す仕事だというのは周りも一緒。一度絆が出来た検疫官同士の絆は離れたって消えないものです。

2日本全国様々な文化や自然、食を深く味わえる
特に最後の一つ、食がお好きな方が多いようです(笑)私は北海道に住んでいますが、本州から移り住んで来た方は「スーパーで普段売っている食材のクオリティ」にびっくりしています。街と街の遠さにも驚かれる方が多いです。え、札幌と函館って車で5時間半もかかるの?同じ道内なのに?と(笑)

全国を旅することは老後の楽しみとして可能かもしれませんが、旅するのと住むのでは感じることはまた違います。その土地に移り住むのは、旅行では味わえない経験になる。仕事の一環として全国移住できるのは、地域の文化や自然を深く楽しむ良い機会と言えるのではないでしょうか。

3転勤は人生のリセットチャンス
どんな人にも、失敗は有ります。恥をかくことも有ります。人に迷惑をかけてしまうことも有ります。やり直したいと思っても、それが周囲を巻き込んでいることであれば、なかなか自分が変わることも周囲の目を変えることも難しいものです。

しかし、誰も自分の事を知らない土地で新しくスタートを切る機会が有れば、新しい気持ちでリセットできるのではないでしょうか。学生はよく「大学デビュー」「職場デビュー」という言葉を使いますが、転勤組は数年に一度「転勤デビュー」チャンスが有るのです(笑)

ちょっと冗談めかしてしまいましたが、自分を変えたいと真剣に思っていて、でもなかなかできないという方は、全く新しい土地に身を置くことが、自分を変えるいい機会になるのではないでしょうか。

4転勤が人を成長させる
上記3つのまとめになってしまうかもしれませんが、多くの人に出会い、多くの文化に触れることで、あなた自身の人間としての幅は広がり、器も大きくすることができます。勿論転勤をそういう機会に出来るかどうかはあなた次第ですが、一つの場所で一生を過ごすとどうしても地域性や周囲の狭い人間関係、良くいくカフェに贔屓の美容室、生活がルーティン化して、視野を広げてくれるような新しい出会いはなかなかやってきません。

全国転勤は、いやがおうにも行きつけのカフェは数年でおさらばしないといけませんし、贔屓客になる前に新しい美容にかからないといけません。視野を広げようとしなくても新しい人や場所と出会わなけらば行けないわけです。ですので、自分から積極的に行動できない人こそ、全国転勤のお仕事は自分の可能性を広げるチャンスになるかもしれません。

全国転勤のデメリット

1単身赴任の可能性
パートナーや子供とずっと一緒に暮らすことが難しくなる、これがもう既婚者やお子さんがいる看護師さんには圧倒的一位のデメリットになるでしょう。パートナーの仕事の事情にあなたが合わせることも、パートナーがあなたに合わせて一緒に異動・転勤・転職することも一筋縄ではいかないでしょう。

子供の転勤も、プラス面・マイナス面両方あると思いますが、子供に合わせて考えたり思春期をむかえ自我が出てきた子供の意見を尊重してやることも、官庁人事で異動が決まる検疫官では難しいのです。

家族間の絆を保つためにも、少なくとも結婚の際、もしくは結婚が先であれば全国転勤の検疫官に就くことについて、多くの可能性を想定したシミュレーションをいくつも作りながらよく話し合ってから決めることが大切です。

2ライフプランをたてにくく、想定外の事態に対処しにくい
上記とも被る部分はございますが、人生設計を考える際には、数年後数十時年後に自分がどの街に居るのかは当然重要な要素になります。それを抜きで考えなくてはいけないので、当然どんな綿密なプランを立てても、転勤先によって都度プランを修正しなくてはいけなくなります。

また、例えば親の介護が必要になったり、パートナーや子供が病気になったりといった想定できない事情への対応も、全国転勤が一層難しくさせます。

3別れが多い
好きな同僚や上司、街で出会った素敵なお店、お気に入りのスポット、快適な家とも数年でサヨナラしなくてはいけない、それも全国転勤の辛いところです。検疫官同士の絆は転勤後も続きますし、退職したらまたこの町に戻って来ようなど、未来の楽しみの一つにするなど、この点に関しては全国転勤族の方たちも、慣れてくればプラスに考えられるようになるようです。

ここで見て来たことはあくまで「全国転勤のメリット・デメリット」です。最も大事にすべきは検疫官の仕事自体にやりがいを持てるか、キャリアを捧げるだけの魅力を感じられるかです。

検疫官になるには?求人を見つける方法と採用試験の㊙合格法!

検疫官の仕事に魅力を感じた方、検疫官は狭き門ではありますが、きちんと対策をすれば合格の道は必ず開けます。検疫官の試験は提出文書と面接で決まります。それぞれの対策法を記しますので、しっかり実践し、万全な状態で当日を迎えてください。

求人の探し方

検疫官の求人を探すには、厚生労働省の採用ページに目を光らせることです。2022年6月現在行われている募集では、勤務開始日も随時となっており、全国一斉の試験日が設けられていないようです。応募方法は、写真付き履歴書・看護師免許証の写しを同封の上、「感染症と水際対策について」や「他者とのコミュニケーションを取るために必要なことを自身の経験を通して述べなさい」など、指定されたテーマで1,200字程度の原稿を送付する必要が有ります。

検疫官採用試験合格法➀一次試験対策(課題文提出)

実質的には履歴書による経歴判断と、1,200字の提出文書が一次選考となります。
注意点としては、1,200字の文章はいずれも「論文」ではなく「あなたの紹介文、自己PR文」である点です。「感染症と水際対策について」書きなさいと言われ、本やWikipediaに載っているような感染症当対策を自信満々に書く人がいます。そんな方は、これが採用試験であり、あなたは検疫官に合格するために書いているんだということを思い出してください。1200字に込めるべきは、「私はこんなに検疫官にふさわしい人間なんですよ」というアピールなのです。

当然、論文とは書き方や書くべき内容も全く変わってきます。論文ではテーマへの深い知識やテーマへ適切な問いを立て、データや引用を基に客観的な説明を加えながら論証していく能力が試されます。一方、自己PR文で求められているのは検疫官への関心や、あなたの人柄です。ただし、それらを文字だけで的確に伝える表現力も必要になります。

看護師さんは大学の授業も論文でなく記録やテストが多く、かつ卒論も課されない大学が多いので、課されたのが作文で、ホッとしているかもしれません。しかし、実はPR文には決まった型が無いため、文章力の有無が文面にモロに出てしまいます。書き慣れていない人が書くと、何を言っているのかわからない、人柄も検疫官への関心も何も伝わらない「ただの感想文」になってしまいがちです。逆に、大学院に進学し論文を書きなれているような方は、自身の作文が論文になっていないか注意が必要です。

いずれにしても、本気で検疫官を目指す方は提出すると決めた日の3か月前には構想を練りはじめ、出す前に出来れば添削指導を最低3回は受け、「検疫官への想いとあなたの人柄が誰が読んでも同じように伝わる文章」に仕上げてください(私への添削依頼が有れば、メールからご連絡ください)。コツは、複数人に読んでもらい、「私が書いたって言う先入観抜きにして、これを書いた人はどんな人で、なんで検疫官になりたいんだと思う?」と聞いてみることです。そこで皆さんがすんなり答えてくれれば、良いPR文と言えるでしょう。「分からない」と言われたら、書き直しが必要です。

検疫官採用試験合格法②二次試験対策!(面接)

二次試験は人物試験(面接)になります。一次試験は提出文書が判断材料の重要な部分を占めています。
履歴書に書いた志望動機や経歴について、あなたの口から伝えることになりますが、特に注意が必要なのが志望動機の伝え方です。多くの方が、志望動機をまともに書けていません。

例えば、

国民の安全と健康を「事前に」守る検疫官の仕事に興味を持ったからです。

この志望動機は、残念ながら0点です。何も言っていないのと同じです。あなたは検疫官の志望動機を書いているのです。つまり書くべき志望動機は「なぜ検疫官に興味を持ったのか」です。先の回答は、それに対して「検疫官の仕事に興味を持ったからです」と同義反復(聞かれたことと同じことを繰り返すこと。トートロジーと言います)をしているだけなのです。

私は、看護学生の生徒たちには「トートロジーにならない志望動機を書くためには、まず「なぜ?」を三回繰り返そう」と指導しています。
1なぜ検疫官になりたいか→国民の安全と健康を「事前に」守る仕事に興味を持ったから
2なぜ国民の安全と健康を「事前に」守る仕事に興味をもったのか→予防の観点の大切さに気づいたから
3なぜ予防の観点の大切さに気付いたのか→コロナで苦しむ患者さんに何もできない無力感に襲われ、そもそも感染させないことが大事だと感じたから。
これを繋げると、「コロナ禍で苦しむ患者さんに何もできず、そもそも感染しなければ苦しむことはなかったという想いから、感染予防の大切さを改めて痛感し、私たちの安全と健康を事前に守る検疫官のお仕事に興味を持ったからです」となります。これで、トートロジーは避けることが出来ました。後は、面接官に突っ込まれた時の具体的なエピソードを用意しておけば、志望動機はOKです(エピソードは、履歴書には書かなくて良いです)。

志望動機の次に大切なのは、自身が検疫官に向いている、私が検疫官になればあなた達の力になれるとアピールすることです。

就職試験で大切な自己PRは、「私は素晴らしい人間です」とアピールすることではありません。良いところは少なくてもいいんです、人間として足りないところが有ってもいいのです。ただ、「このお仕事には向いています」それを伝えることが重要なのです。

何故でしょうか。それは端的に「検疫官に向いていることを伝えられる=検疫官の業務も自分のこともよく理解している」と両方を同時にアピールできるからです。

○○な点が検疫官に向いています。と伝えるためには、検疫官の業務内容、必要な能力・問われる資質をよく理解し、そのうえで自分を理解し、自身のどんな長所をアピールすれば良いか理解し、言語化できなければ行けません。調査・分析・適用・伝達という社会人に必要なスキルを全てアピールでき、かつ検疫官のことをきちんと調べた=本当になりたいのだなという熱意も伝えることが出来るのです。

特に面接ベタな人は知識の重要性を軽視してしまします。どんなに言葉で検疫官になりたいんです!本当です!信じてください!と言っても、相手はそう簡単に信用できません。人に想いを伝えるには、知識を示すしかないのです。

例えば、テレビを見ていて「この俳優さん好きなんだ!」とあなたが言います。すると友人が「えー私も!」と。でも、その俳優がこの前出てたドラマを知らない。CMも知らない。そうなったら、絶対嘘だと思いますのよね(笑)ドラマやCMの話で盛り上がれて初めて、本当に好きなんだ、と嬉しくなるわけです。

それと同じです。ですから、検疫官になりたいなら、検疫官の業務については徹底的に調べ、知っている自分をPR出来るようにしましょう。

面接対策も、提出文書同様、依頼が有れば添削やアドバイス、練習相手を(オンラインになりますが)承りますので、ご希望ある方はメッセージを頂けますと、ご対応致します。

まとめ

検疫官は、今後の世界でますます重要性を増す、感染症を予防、拡大を防ぐ大変価値のある業務です。全国転勤が有る点に難色を示す看護師さんも多いですが、もし人間関係に悩むことが多いのであれば、数年置きに転勤があり苦手同僚が居ても数年の付き合いで済む(?)ことは精神衛生上プラスに働くかもしれませんよ!(笑)

規則正しい勤務体系に充実の福利厚生、国家公務員という安定感に、政策行政を担える充実感。とても魅力的な仕事ですよ!

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