
こんにちは!かっきーです。今回の記事では、病院が採用活動を行う際に考えていることにフィーチャーしてご紹介いたします。何度も言っていますが、転職活動はお見合い(古いですね💦マッチングアプリ?かな?)です。自分のことだけを考えていても相手に好かれないように、採用を勝ち取るには、自分を知り、相手を知り、マッチするところをアピールする必要があります。自分の得意でも、相手が必要としてないことであれば、アピールしても仕方ありません。病院の気持ちを知り、マッチしたアピールポイントを見つけられるようにしましょう。
【この記事を読むメリット】
- 病院の採用基準がどうやって決められているのか、どんな看護師さんに決め欲しいと思っているか分かる!
- 何を伝えれば志望先の病院に「刺さる」のかが分かる!
- 記事を読んでもわからないことが有れば個別に質問・相談できる!
看護師転職裏事情!看護師さんが知らない病院の㊙看護師採用基準とは?


まずはっきりしないといけないのは、看護師さんの採用計画・採用戦略について「意識の高い病院と低い病院の差が非常に激しい!」ということです。
後者は、看護部長や看護師長が臨床の片手間に仕方なく採用人事を行い、「人手が足りない」→「現場が忙しい」→「採用活動の重い腰を上げる」→「採用者も忙しい現場に不満」→「辞める(新人さんだけでなく、新しい人が入ってきたからやっと辞められる!と既存の看護師さんが退職するケースも)」→「人手が足りない」→「現場が忙しい」・・・という無限ループを繰り返すことになります。勿論病院もこのループからは抜け出したいのですが、長期的な採用戦略を持っていない(持ち方が分からない)ので、なかなか抜け出すことが出来ません。
とはいえ、近年は看護師さんの労働環境改善の動きや、SNSですぐに病院の評判が出回ってしまう現状から、私のようなコンサルに依頼するなどし、採用問題を根本から解決しようとする病院・クリニックが増えてきています。
特に2022年からは非正規労働者も正規労働者と基本的に同等の待遇を求められるようになったため、病院としては非正規雇用でその場しのぎするという策を取りにくくなりました。それをきっかけに、正社員の採用活動をより真摯に・シビアに行おうとする機雷があります。
まだ一部では場当たり的人事が行われている病院が有るのは確かですが、ここでは長期的視野で真摯に看護師さんの転職活動に向き合う病院をモデルケースに、病院側から見た看護師採用活動を紹介していきます。
病院の看護師採用戦略➀どんな看護師さんを、いつ、何人雇うか(募集要項)
毎年決まった時期に一定の人数を採用する新卒採用と異なり、中途採用は病院が正確に把握できない現職スタッフの退職や休職、シフトの変化(夜勤に出れなくなるなど)に対応する目的もありますので、「いつ、何人雇うか」も重要な決定事項です。どんな看護師さんを採用するかも、新卒看護士さんとは異なる基準になります。これらの事項を病院が決定する過程を紹介します。
採用基準の決定に影響を与える4つの要素
- 病院の経営方針(予算含む)
- 看護部の業務&育成指針
- 昨年度までの人事・採用データ
- 医療政策や社会情勢
などです。
1 病院の経営方針(予算含む)


病棟はどこも看護師不足、一人当たりの業務負担が多くなり過ぎていますので、看護部としては一人でも多く採用してもらい、現場のひっ迫を何とかしたいところです。
しかし、病院にも予算が有り、かつ採用人事においてはどうしても医師優先です。これは勿論医師の方が偉いからなどという理由ではなく、医局との力関係で(特に中小の病院だと)医師人事が先に決まってしまうからです。
かつ、看護師人事においても新卒優先です。病院だけでなくどこの企業でもやはり人事の核は新卒採用です。若い人材がたたき上げで育っていく土壌を作らなければ病院(企業も)に未来はありません。
そこで、看護師さんお天職人事はどうしても予算が限られ、新卒採用のように病院見学やインターン制度を取り病院の雰囲気や方針を知ってもらったり、採用に掛けるコストも少なくなってしまいます。
限られた予算の中で、かつ優先順位を上げられない葛藤の中では、どうしても中途採用の採用基準は保守的になります。
この点を覚えておくだけで面接で言うべきことのヒントが見えてきます。
2 看護部の業務&育成方針
看護部がどこまで採用人事に関わっているかは、病院の規模によって大きく変わってきます。規模が大きい病院では原則人事部や事務局主体で採用を行っています。
この場合、ターゲットが新卒であれば新卒向けの集団研修やオリエンテーションに人事部も参加し、どんな研修をしているのかを採用活動の際に学生にエピソードを踏まえ具体的に伝えるなど、ほとんどの病院で看護部との連携が取れています。学生は、専門的な話をされてもわからないので、病棟の雰囲気だったり、働きやすい環境(綺麗な寮があるとか、駅から近いとか)
しかし、中途採用となると話は別で、病棟ごとの細かい要望に合わせたきめ細かな採用人事が行われるケースは多くありません。病棟の看護師さんたちが採ってほしい人材と人事部が実際に採用する看護師さんに乖離が生じることも多々あります。(例外的に、オペ室やICUなど希望者が少ない病棟は、看護部の積極的な協力のもと、中途採用対象の見学会を開いたり、意図的にアピールして、興味をもってもらうよう工夫している病院もあります)
さて、採用基準を決めたり病院のアピールポイントを決めるのが看護師経験が無い人たちなので、そのまま病院の経営面での特徴を伝えてしまい、働き手としての魅力が看護師さんに伝わらず、良い病院なのになぜかいつも倍率が低いなんて病院も多くあります。
逆に言えば、大病院を受ける際は、看護師としての技術や経験を訴えてもあまり効果が無いことが有ります。この点も、覚えておけば面接の回答作りに活かせるでしょう。



うちは在院日数が短くて~、患者の紹介率が高くて~、高名な医師が在籍していて~、、って言われても。私、入院しに来てるわけじゃないので💦どんな技術や経験が求められているかを聞きたいのに、技術の話したら??って顔されちゃいました。
一方、中小病院では、看護部長・師長が看護部の目指す方向性、欲しい看護師像を明確に打ち出し主体的に採用活動を行うことが多いです。
この場合は、受験者も病院のシステムや看護理念と自身の看護観、提供したい看護をがマッチすることをアピールすると良い評価を得られます。



どんなに素晴らしい看護観を持っていても、病院の理念に合わなければ採用される可能性は低いです。とはいえ、面接で嘘をついて合わせても、看護観が合わなければ入職後苦労するのはあなたです。合わないのであれば、違う病院を探すべきでしょう。
3 昨年度までの人事・採用データ
昨年度までの人事データ、採用活動におけるデータも参考にします。
人事データとは、例えばどの病院のどの病棟から転職してきた人が優秀だったとか、逆にすぐ辞めたとか、質的なデータに加えて、退職時期のデータも参考にします。ちなみに、退職時期で最も多いのははやり3月末ですが、夏・冬の賞与をもらってから退職、転職活動を始めるという例も多くあります。
採用活動におけるデータとは、エントリー数やインターネット検索数、1次面接通過数 、辞退率などです。
これらを細かく把握することで、次年度に向けて採用活動の改善点を明らかにすることができます。
4 医療政策や社会情勢
医療業界やあらゆる業界の中でも最も閉鎖的かつ保守的かもしれません。彼らが自発的な改革を起こすことは残念ながらほとんどなく、病院に管理栄養士さんを増やしたり、技師さんを増やしたり、看護配置を充実させるときは、決まって国の政策で「その配置をすることによる点数が新設or増加した場合」です。
また、今回のコロナ禍など、社会情勢によって人員配置を組み替えることもあります。
このように、社会情勢や医療政策の変化は病院人事にも大きな影響を与えます。2006年の7:1への転換などは、看護師さんにとっては転職の大チャンスでした。今後も看護配置や専門看護師が病棟に居ると点数アップなどの変化が有るときは、病院が人事構想を差施行する機会です。採用基準を見直すなど、看護師さんの転職事情に大きく影響してくるでしょう。
これらの過程を経て、まず【不採用基準】が決まる!
さて、これらの過程を経てまず決まるのが、【ネガティブリスト】【ノックアウトファクター】という、二つの不採用基準です。
病院それぞれにリスト化されていると思いますが、特に以下のような事項は多くの病院でネガティブリスト入りしていると考えられます。
- 転職歴が多すぎる(一つの場所で長く続かない)
- 長く続ける気が無い
- お金にこだわる
- 自分の看護が語れない(何がしたいか見えない)
- 前の職場の批判や非難をする
- 学歴・経歴自慢をする
- 極端な思考
- 向上心・やる気に欠ける
- プライドが高過ぎる
面接や履歴書から上記のような姿勢が見えると病院としてはなかなか採用しにくくなります。なお、【極端な思考】というのは、信念が強すぎたり、思考の幅が狭かったり、プラス思考マイナス思考いずれかにより過ぎているなどです。特に、信念が強いことは良いことだと捉えている人が多いでしょうが、協調性が要求される職場ではマイナスに働くことが多いのです。病院や病棟にはそれぞれのルールが有りますから、どんなに自分が正しいと思っていても、環境に合わせられる柔軟性が求められます。



共通するのは責任感と協調性があるかどうかですね。この二点は特に重視されていて、面接で一見何を聞かれているか分からないような質問でも、実はこの二点を問うているような質問が多いです。職場の雰囲気つくりはとても大切で、病院側も必死になって改善しようとしています。輪や和を乱す人の採用は既存の看護師さんからもクレームが来ますので、人柄に関することはスキルや経験以上にネガティブリストに入りやすいです。



看護師さんはこれらのノックアウトファクターやネガティブリストに当てはまるような回答や発言を面接時にしないことが大切ですね!
中途採用の採用基準~【即戦力】をどう考えているか~
特にキャリア4年目以降の看護師さんは、「わたしは即戦力として計算されているだろうから、キャリアやスキルをしっかりアピールしないと」と考えがちです。
しかし、看護師さんが他医院でどんな経験を持っていたとしても、新しい病院は看護理念も違えば組織の風土も違います。システムも異なれば、マニュアルも異なり、使っている機材も違えば物品も異なります。
そんな初めての職場で、すぐに力を発揮することは困難です。病院もそれはわかっています!
確かに、現場レベルでは自身や病棟全体の多忙を解消してくれる即戦力を求めてしまいます。それでも、採用する側は、それは無茶だとわかったうえで採用活動を進めています。(戦力を願う現場の声も、ではあなたが違う病院に行ってすぐに戦力になる自信が有りますか?と言うと、だいたい理解してくれます♪笑)
前述のように、中途採用は退職者の補填の意味合いも強いのですが、1人減ったから1人補充したからプラマイゼロ、さあリスタート♪とはいかないのが看護の現場。 中途採用者であっても、院内できちんと教育プログラムを立て、現在のスキルや本人の目標に応じたラダーを設定し、育成のために必要な時間を設定し、経験を積んでもらうこと、それを現場と共有することが重要です。
転職を希望する看護師さんも、経験やスキルをアピールし即戦力性を殊更に強調する必要はありません。むしろ、ネガティブリストにある【プライドが高い】や【経歴自慢】に繋がりかねません。面接はあくまで謙虚な姿勢で受けることが重要なのです。
病院の看護師採用戦略②看護師さんをどう集めるか(募集戦略)
さて、採用基準を決定・統一したら、次にどうやって募集するかという募集戦略を考えていきます。系列病院からの異動を斡旋してもらったり、転職サイトからの紹介を依頼するのは当然ですが、ここでいう募集戦略とは、単に「はい、うちの病院募集を開始しますよ~」と手を挙げることでなく、【看護師さんにうちの病院を選んでもらう】ための戦略です。
自院の強みを確認し、募集活動に活かす【ブランディング】
病院もブランディングの時代です。患者さんに対してのブランディング以上に、医師や看護師、その他医療スタッフに自院を選んでもらい、質の高いスタッフを集めるためのブランディングに力を入れています。(患者さんへのブランディングは保険医療だとなかなか広告規制が厳しいので難しいという現実もあります💦)
さて、医療におけるブランディング戦略では「医療サービスを可視化」し、自施設の地域における医療サービスの価値をブランディングしていくことが必要です。医師も看護師も、「この病院は私にどんな環境を提供してくれるんだろう」という気持ちと同じか、もしくはそれ以上に「この病院は患者さんにどんな医療サービスを提供するんだろう」と、患者目線の病院評価をします。
病院のHPの中には、患者さん向けの病院紹介のほかに、転職希望者など医療者に向けた病院紹介のページを用意しているところもあります。
看護師さんが看護においても、サービスの価値を病院や施設の経営方針に合致させ、看護師の求人を行っていかなくてはなりません。そこで、採用のためのブランディングが重要になります。
多くの病院が取り組んでいることを挙げると
- 医療圏内の他医院(競合相手)のブランディングの研究
- 離職率が低い病棟と高い病棟の比較分析
- 3C分析による自院の強み発見
- SWOT分析による採用課題の発見
あたりでしょうか。~なんちゃら分析の部分は看護師さんが詳しく知る必要はありませんが、競合する病院(看護師さんを取り合っている病院)と自院を比較して、優位な点に絞って看護師さんに【刺さる】メッセージストーリーを作ろうとしています。
そうして「この病院じゃなきゃダメ」という応募動機を作るのが目標です。どんな看護が提供できるかを明確にすれば、「こんな看護がしたいと思う」看護師が応募してくるようになります。
逆に言えば、「うちの病院を受けに来る看護師さんは待遇でしか見てくれないんだ」とか「大学病院や公立病院の事前の選択肢でしか見られていない」いう病院は、スタッフに訴えるようなブランド作りが出来ていない、看護師さんに明確なビジョンを示せていないということかもしれません。



ブランディングに成功した病院だと、働いた時の自分の姿をイメージできたり、「この病院なら、ストレスを溜めずにやっていけそう」と「自分の信じる看護を共有できそう」と、希望が湧くんですよね。
募集活動の実施
せっかくのブランディングも、それが看護師さんたちに伝わらないと意味が有りません。新卒と異なり、転職市場の看護師さんは既に自分の看護を持っている人も多いです。
なので、待遇だけでなく、看護部のビジョンを明確に打ち出した募集活動を行うことが、中途採用では特に大切です。しかし、新卒採用と比べ予算が限られている転職市場では、インターンシップや病院説明会を開催し直接職場の雰囲気を味わってもらったり、看護部に転職希望者とのコミュニケーションの機会を作ってもらうことは中々難しいのが実際です。
そこで、最近では、SNSやYoutubeなどのデジタルメディアを使う病院が多くなってきました。
SNSでは転職希望者からのメッセージを受け付け質問に答えるなど、双方向のコミュニケーションで親しみを感じてもらえる利点があります。
Youtubeは実際に働いた時の業務の様子、スタッフの雰囲気が伝わりやすく求職者にも好評です。山口大学病院や愛知県の半田市立半田病院などは、Youtubeに看護師さんの一日の業務の様子をアップするなど、上手にデジタルメディアを活用しています。
デジタルメディアは、悪い評価・悪いうわさも一瞬で拡散されますから、信頼が命の病院運営においては諸刃の剣です。逆に言えば、それを積極的に活用しているということは、患者対応にもスタッフの勤務環境にも自信が有るのでしょう。
また、病院の採用活動の中心はやはり転職サイト。転職サイトのエージェントさんにも、病院の目指す方向性、ブランディング、採用しする看護師さんに求めるもの、それらを具体的に伝えている病院だと信頼できますね。
逆に、「キャリアは4年目以上で、脳外科の経験が2年以上あること」「月3回夜勤に出れること」など、経歴やシフト希望だけで条件を伝える病院は、採用におけるブランディングが明確にされているか不安になりますね。



看護師さんは、転職サイトのエージェントさんに病院から出された希望条件を聞いてみると病院選びの参考になると思います。
現在の求人規制では年齢や性別、キャリアの制限をして募集を掛けることが出来ない
また、ご存知の看護師さんもいらっしゃるかもしれませんが、現在は求人における募集の規制が厳しくて、年齢や性別、経験年数による制限を募集段階で掛けることが難しくなっています。
十数年前であれば、
「30歳から~40歳の間で、オペ看キャリア5年以上の女性看護師」
などとピンポイントで欲しい人材を絞って募集できたのですが、今は病院が求める層と同様だったとしても
「看護師募集。未経験可」として応募を掛けるようになっています。
個人的には、これは全く意味の無いことだと思います。実際に応募する人は受からないのに応募の手間がかかってしまいますし、病院も今回は条件に合わず採用出来ないけど、違う機会に受けてくれれば採用したい人材だったかもしれません。



一度落ちたところは、受けにくいですよね。病院側でほんとは最初から年齢やキャリアで対象外だったのか、個人の資質で落ちたのか、私にはわからないし
このような求人規制は、採用までを含めた規制ではありません。結局「未経験可。年齢性別問わず」という募集を掛けたとしても、「30歳から~40歳の間で、オペ看キャリア5年以上の女性看護師」しか採用しないのは病院の自由です。入口を広くしてチャンスを作ってあげましょうねという規制なのですが、出口が開かれていない求人に何の意味が有るのでしょうか。
さて、このような規制が出てしまったことで、病院は募集手段に工夫を凝らすようになりました。例えば、実際の採用対象の年代の間でなにが流行っているのかを調べて、そこにフィーチャーした媒体に募集広告を打ったり、20代対象ならおしゃれなパンフレットを配り興味を引き、40代以上が欲しい場合は、外部に向けた管理者研修などを積極的に開き病院を認知してもらうなどです。
応募媒体も大事!
また、広告規制は広く一般に募集を掛ける際の規制です。ですから、エージェントを介した転職サイトによる募集であれば、制限なくピンポイントの希望を伝えられます。
ですので、求人規制がかかってからは、病院にとって転職サイトはよりありがたい存在になりました。その意味でも、転職サイトは積極的に活用することをお勧めします。
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小規模な無床クリニックの場合は、転職サイトに払う高額な報酬を払うのが難しく、利用していないところもあります。
それ以外だと、系列病院からの異動を募ったり、タウンワークやindeedのような求一般人誌に掲載したり、地域の看護協会に求人依頼をすることもあります。
ちなみに、批判覚悟で申し上げますが、正直ハローワークは不人気です💦(忖度の無い本音の情報を伝えることも意味が有ると思っていますので、ご容赦ください)
「ハローワークを利用して入職した看護師さんは、離職率が高い」積み重ねてわかってきたこのデータが、主な原因です。看護師さんの離職率は、3か月以内で約12%、6か月以内で約23%と、ただでさえ高い数字なのですが、ハローワーク利用者は6か月以内で30%を超えるなど、更に高くなります。
また、私が以前お話ししたクリニックの院長先生は「看護師はハローワークなんて利用しなくても職は得られるだろう、わざわざ手続きが面倒なハローワークを利用するのはなんでだ?どこも落ち続けてる子なんじゃないか?」とおっしゃっていました。
おそらくハローワークを利用している看護師さんの多くは、休業手当のメリットを考えて登録されたのでしょう。しかし、それを伝えても「休業手当目当てか、お金にうるさそうだな」と負のイメージを覆せませんでした。医師は金銭感覚が我々とはかなり異なります。
なんせ、夜勤バイト1回で10万円、地方だと20万円近く入るのですから。一般人がお金でどれだけ苦労してるか、休業手当がいかにありがたいかなども、分かってくれない人もいるのです💦
ハローワークには無料で載せられるので、とりあえず掲載を依頼する病院は有りますが、ハローワーク経由よりも転職サイトを経由した方が病院の印象は良い気がします。
ただ、転職サイトが病院と信頼関係を築いているかも重要です。もし転職サイトと病院の関係がこじれていると、あなたには全く非が無いのに、悪い印象を持たれてしまうことが有ります。



例えば、転職サイトA経由で紹介を受けた看護師さんが入職後2週間で辞めてしまったとか、あるいは病院が転職サイトに伝えた希望とは合わない看護師さんを以前紹介してきたことがあるなどです。
その場合、あの転職サイトからの紹介か、、今後の子は本当に大丈夫かな?と、あなたに会う前から不信感を抱かれてしまっている可能性もあります。勿論、逆に今まで何人も病院の希望にマッチする看護師さんを紹介してきて、もうこのサイトからの紹介なら間違いないなとプラスのイメージを持たれていることもあります。
当サイトでも、転職サイトは厳選して紹介しています。私も事務長時代に実際に利用したことが有ったり、良い評判を聞くサイトのみ紹介していますので、安心してご登録ください。
もしあなたが複数の転職サイトに登録していて、実際にどのサイトから紹介してもらうか迷ったときは、「御社からこの病院には今まで何名くらい採用されていますか?」など聞いてみると良いでしょう。基本的には、多いほど信頼関係が築かれていると思っていいでしょう。
もちろん、実際に採用されるかどうかはほとんどがあなた自身で決まります。しかし、どちらの看護師さんも同じくらい採用したいな、でも枠はもう一つしかない、どうするか、、、となったときは、転職サイトとの関係を考慮する可能性はあるでしょう。
病院の看護師採用計画③応募から採用まで(採用過程)


実際に看護師さんが応募し、履歴書審査(一次審査)を経て、面接や採用試験(二次審査、大病院では三次まである場合も)、晴れて採用!となるまでの過程を見ていきます。
大病院の場合、履歴書の確認や面接は現場担当者や人事部門が行い、通過者は部長クラスによる二次面悦を行い、最後に院長・事務長クラス が確認をしGoサインを出すパターンが多いでしょう。
中小病院や有床クリニックでは、履歴書の確認と一次面接を看護部長&人事部長が行い、院長や事務長が確認しGoサインを出すパターンが多いです。
無床クリニックの場合は、履歴書を持参し院長が直接面接をし、早ければその場で合否通知をしたりします。
履歴書で何を確認しているか、面接で合否を分けるポイントは何か、などは下記の記事に詳しく記載してありますので、そちらをご覧下さい。








病院の看護師採用計画④看護師さんが定着してくれる職場作り


病院の転職人事は、採用して終わりではありません。むしろ、大切なのはここから。いかに続けてもらうか、看護遺産が辞めない職場作りが大切です。
看護師さんが早期退職しない環境作り➀ブランディングはスタッフの定着にも重要
そのためには、せっかく入職したのだから「看護師さんがやりたい看護を目指せる環境作りが何よりです。ブランディングに基づく採用がしっかりできている病院は、価値観の合った看護師さんが入職してきてくれます。あとは、せっかくのブランディングが、現場で実践されていれば、転職者の期待を裏切らずに済みます。
実際に、退職者面談をすると、「思っていた職場と違った」という回答が最も多いのです。
また、看護部と人事部の連携が取れていない病院の場合、看護師さんの実像を知らないまま人事部主導の教育プログラムを作って実践させようとします。その場合、看護師さんの感覚とギャップが生じることが多いです。
例えば分かりやすい新人教育の場合を例に出すと、人事部主導の場合、彼らは院内データのほかに厚労省の『新人看護職員研修ガイドライン』を参考に教育プログラムを作ります。
ガイドラインには、新人看護師が入職時に身に付けておきたい基礎技術が103項目挙げられていますが、実際に新人看護師さんが「1人でできる」と認識しているのは、たった4項目しかありませんでした。
しかし、実情を知らない人事部は、その103項目を出来るものとしてプログラムを組んだりします。そこでいきなり看護師さんと大きなギャップが生じます。
中途採用者でも事情は同じです。3年目ならこのくらいはできるだろうという人事部の見立てと、看護師さんのリアルに乖離がると、どうしても早期退職事由に繋がります。
そのようなことが無いよう、下記の記事を参考に、院内の連携がきちんととれている病院を選んでください!


看護師さんが早期退職しない環境作り②同期間コミュニティーの形成
看護協会の「新人看護師が一年以内に辞める理由」という調査では、「困った時に相談できる仲間がいない」という理由が上位にあります。これは、病棟に同期がいない中小病院に特に多いようです。
同期の存在は新人看護師さんにとって大きな支えで、自分の上達速度を図るペースメーカーにもなってくれます。そしてそれは転職看護師さんでも同様です。
即戦力を期待されていると思い込み、早くこの病院のルールを覚えないとと焦り、ストレスになったり、尺度になる存在がいない分余計不安になります。
ですから、中途採用者にも全体研修を行うなど同期コミュニティーを作り、つながりを持てるような環境を作るなど工夫している病院も出てきました。
看護師さんが早期退職しない環境作り③即戦力を求めない!
現在では、中途採用の看護師さんにも単に経験を求める病院は少なくなりました。新卒同様、教育の視点を持ち、目的を持った採用をしています。
しかし、病院全体ではその方針を持っていても、現場の看護師さんの中には、早く仕事覚えて力になってよ!という有形無形のプレッシャーを掛けてくる看護師さんもいます。特に自身に転職経験が無くてずっと一つの病院で働いている人(いわゆるお局!)は、転職者の苦労が分かりません。
病棟からの即戦力の期待が転職者の不安をあおってしまうと、早期退職に繋がり、結果的には病棟の人員不足、そして今いる看護師さんのさらなる負担増加に繋がってしまいます。
ですから、現場の看護師さん一人一人にも、転職者に即戦力を求めず、教育の視点を持つことの重要性を徹底して理解させる必要があります。
転職者にもプリセプターを付けるなど、一時期は負担になっても長期的に考えればチームの負担を減らすことになるのではないでしょうか。
看護師さんが早期退職しない環境作り④ワーク・ライフ・バランスを含めた支援を!
「医療者はプライベート持つべからず」という時代を引きずっている看護師さんが、まだしらっしゃいます。しかし、私生活の充実が仕事にも好影響をもたらすことは、当サイトでも繰り返しお伝えしてきました。
病院が看護師さんの私生活の充実までをケアの対象にすることは、結果的に退職者を減らしたり、業務効率を上げることに繋がります。
例えば、それぞれが考えるワーク・ライフ・バランスの理想を、「わがまま言うな、他の人のことを考えろ」と退けるのではなく、全員の希望を取れば一部でも改善することはできるはず。
「あ、実はずっと私に都合のいいシフトになってたんだな、今度は私が我慢しなきゃ」など、それぞれの希望を知ることで他人の気遣いや我慢を知り、思いやりを持つきっかけになるかも知れません。
まとめ
病院側から見た採用活動、如何でしたでしょうか?看護師さんが知っておくと転職活動を成功させるヒントになることが有れば幸いです。
改めて、ポイントを4点まとめておきますね。
- ブランディング戦略に基づき、転職希望者に伝わりやすいように病院の広報活動をしている病院は、入職後の研修・教育システムも期待ができ、かつ院内の雰囲気つくりやチームワークの向上にも気を使っているところが多い
- 看護師さんは、転職サイトのエージェントに、病院からどんな看護師さんに来て欲しいと言われているか聞いてみて、採用におけるブランディングが明確にされているか確認すると良い
- 中途採用では、良いところをアピールするよりもネガティブリストやノックアウトファクターに当てはまるようなマイナス要素を取り除く方が大事!
- 採用だけでなく、定着まで考えたブランディングが出来ている病院を選ぼう
採用ブランディングに力を入れており、それが休職中の看護師さんに伝わるような広告展開が出来ていて、現場までその理念が伝わっている病院は、看護部と連携が取れた優秀な事務局が存在しているはずです。
事務局が優秀かどうかは、(目には見えないかもしれませんが)あなたの看護師としての働きやすさにも大きく影響します。現場が最も気になるとは思いますが、ちょっと違う視点で、病院のことを考えてみると、知名度は無くて倍率は低いけど穴場になっているような働きやすい病院を見つけられるはずですよ♪



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